【エクセル】拡張子xlsをxlsxに変更すべき理由:違いとマクロ実行の危険性

2021.07.05 /

【エクセル】拡張子xlsをxlsxに変更すべき理由:違いとマクロ実行の危険性

記事ではMicrosoftのExcel(エクセル)における、拡張子xlsを拡張子xlsxに変更すべき理由やこれら拡張子の違い、マクロ実行の危険性について詳しく解説していきます。

エクセルは仕事やプライベートで多くのユーザーに利用される表計算ソフトであり、現在でも拡張子がxlsのファイルを使っている人が数多くいます。

xlsは10年以上前にエクセルの標準拡張子でしたが、今ではxlsxがエクセルの標準拡張子です。拡張子xls形式のエクセルを利用し続けることは危険性が伴い、ビジネスマナーとしても良くはありません。

私の場合

普段から社内のスタッフに拡張子xlsの危険性について伝えていますがいまだに共有フォルダ内やローカルにxls形式のエクセルがいくつも保存されており、今でも使っている人が多いです。

本記事を通して拡張子xls形式のエクセルの危険性や拡張子xlsxとの違いについて理解を深め、xls形式のエクセルの使用を避けるようにしてください。

ここではMicrosoft 365による最新のOutlookを使用しています。

Microsoft用語の確認

Microsoft 365とはMicrosoft社が提供しているOfficeアプリケーション(Outlook、Word、Excel、SharePoint、PowerPointなど)やサービスを利用できるサブスクリプション(月額課金制)のクラウドサービスです

拡張子xls、xlsx、xlsmについて

エクセルで主に利用される拡張子について解説していきます。ワードファイルには「.docx」、PDFには「.pdf」がつくようにエクセルにも決まった拡張子が用意されています。

エクセルには以下に示す3種類の拡張子が存在します。

拡張子 マクロ 説明
xls Excel2003まで標準だった拡張子
xlsx × Excel2007から現在まで標準の拡張子
xlsm Excel2007から現在まで標準の拡張子(マクロ実行可能)
IT用語の確認

拡張子とはファイル名のドット以降に記される英数字です。拡張子によってファイルの種類を表しています

それぞれの拡張子について次項より詳しく解説していきます。

xls形式

xls形式はMicrosoft Excel 2003までの標準拡張子です。Microsoft Excel 2003以前で作成されたエクセルはこの形式で作成されます。

マクロは実行可能ですが、マクロの有り無しが拡張子からは判別ができないようになっています。つまり開いてみないとマクロが付いているかどうかがわからないということです。

現在Microsoftによるサポートはありませんが、最新のExcelアプリで開くことや保存・作成することは可能です。

xlsx形式

xlsx形式はMicrosoft Excel2007から採用された標準の拡張子です。最新のExcelアプリで作成するエクセルファイルはこの拡張子で作成されます。

xlsx形式はXML(eXtensible Markup Language)ベースでデータを保存します。そのためxls形式よりも効率的でセキュアになっています。

またxlsx形式はマクロを保存することができないため、一目で「マクロなし」のエクセルであると判断ができるようになっています。

xlsm形式

xlsm形式は、Microsoft Excel2007から採用された標準の拡張子であり、マクロ(VBA)を保存・実行することが可能な拡張子です。xlsmの登場により、拡張子を確認することで一目でマクロ有りのエクセルであると判別できるようになりました。

エクセル用語の確認

マクロとはコンピューターやアプリケーションの操作を自動化する機能です。VBAというプログラミング言語で記述され、日々の業務を自動化することができます。詳しくは以下記事をご参照ください。

マクロを利用した悪意のあるコードが含まれている可能性もあるため、xlsm形式のファイルを開く場合は注意して開くことが必要です。

POINT

知らない相手から送られてきたxlsm形式のエクセルは開かないようにしましょう

現在「xls」形式はメール攻撃の手段として使われている

拡張子xls形式のエクセルファイルはマクロが含まれているかどうかがわかりません。そのためxls形式のエクセルは攻撃者からの悪意ある攻撃メールに使用されています。

最近では特にマルウェアに感染させるマクロが付いた「.xls」ファイルを送る攻撃が非常に多くなっています。

このような理由からxls形式以降の拡張子ではマクロ付きかどうかを判断できるように、xlsx(マクロなし)とxlsm(マクロ付き)に分かれました。

もし現代でxls形式のエクセルが送られてきたら、悪意のあるメールである可能性が高いです。

間違えてマクロ付きのxls形式エクセルを開いたとしても、いきなりマクロが実行されるわけではないです。次図のように黄色い警告バーが表示されるはずです。

マクロ実行を止める警告バー
注意点

エクセルのオプション設定で「マクロをすべて実行する」設定にしている場合は開いた時点で実行されます

この画面で「コンテンツの有効化」を押してしまうと、エクセルに保存されているマクロが実行されてしまいます。もしこれがマルウェア感染のマクロであれば取り返しのつかないことになります。

POINT

xls形式のエクセルが送られることは現代ではほぼないです。xls形式のエクセルが添付されたメールを受信したら、社内のIT管理者や情報システム部に連絡を取るようにしましょう。

ビジネスマナー:メールに添付するエクセル形式

一昔前(2000年台)まではビジネスメールで添付するファイル形式はxls形式を使うのが暗黙のマナーでした。なぜなら多くの企業がパソコンOSにWindows XPを使っており、xls形式のエクセルしか対応していないユーザーが多かったからです。

そのため相手先の環境を考えて、xls形式でエクセルは送るという暗黙のマナーがありました。

しかし現代では拡張子「xls」はセキュリティ上危険性があるファイル形式という認知があるため、ビジネスメールではxlsx形式で送るのが常識です。

また拡張子がxls形式のエクセルをあなたが取引先に送った場合、悪意のあるメールだと判断される可能性があります。これは相手側にはメールが届かない、または届いたとしても「迷惑メールボックス」に入ってしまう可能性があるということです。

ビジネスで社外の人にエクセルを添付送信する場合は、拡張子が「.xlsx」であることを確認して送信しましょう。

xlsをxlsx、xlsmに変換する方法

エクセルの古い形式である「xls」を「xlsx」または「xlsm」に変換する方法は以下3つの方法があります。

拡張子xlsを新しい拡張子へ変換する方法
  • 名前を付けて保存からファイルの種類を変更する
  • エクセルの変換機能を実行する
  • オンライン上の変換ツールを利用する

どの方法を利用しても簡単に最新の拡張子へ変換することができます。各方法について詳しくは以下記事をご参照ください。

xls形式のエクセルはいつまで使えるのか

xls形式はOffice2003までは標準でありましたが2014年4月にサポートが終了しています。しかし2024年現在の最新のExcelアプリでもxls形式は開くことができますし、xls形式にエクセルを保存することができます。

そのため今現在でもxls形式は問題なく使えるということです。

ではいつまでxls形式が使えるのか?

それははっきりとはわかりません。きっとエクセルが存在する限り(Microsoftがエクセルではない新しい表計算ソフトを開発しない限り)、xls形式が使えなくなることはないのかと思います。

POINT

今でもxls形式を利用できるが、利用しないように心掛けましょう

xls形式をxlsx形式またはxlsm形式に変換するメリット

まずxls形式のエクセルを使用するメリットはなにもありません。未だにxls形式を使っていると、仕事ができない人間、または古いITリテラシーが乏しい人間として見られます。

私が考えるxls形式をxlsxまたはxlsm形式に変更するメリットは次の3つです。

  • ITリテラシーの乏しい人間と見なされない
  • パソコンの動作を安定させる
  • エクセルの容量が半分以下に減る

ITリテラシーの乏しい人間と見なされない

すでに述べているようにxls形式は今では非常に危ないファイルと見なされています。この危険なxls形式を仕事で使っていると、社内外の多くの人にITリテラシーが乏しい人間と見なされます。

昔から問題なく使えているからと言ってxls形式のエクセルを何も考えずに使うのではなく、xlsx形式に変換して利用するようにしましょう。

パソコンの動作を安定させる

私は社内SE(システムエンジニア)として働いており、パソコンやアプリケーションの問い合わせに対応しています。あるスタッフから次のような問い合わせが頻繁にきていました。

問い合わせ内容

頻繁にパソコンがフリーズする、画面が真っ暗になって勝手にシャットダウンするからどうにかしてほしい

そのスタッフがどのようにパソコンを利用しているか確認したところ、xls形式のエクセルを同時に複数開いていました。

そこで利用するエクセルすべてをxls形式からxlsm形式に変更したところパソコンの動作が安定したのです。

パソコンの動作が不安定だったのにはいくつか原因があると思いますが、一つの大きな原因がxls形式のエクセルだったと考えています。

エクセルのファイルサイズが半分以下に減る

パソコンの動作を安定させるためにxls形式のエクセルをxlsm形式に変換した際にエクセルのファイルサイズが劇的に減少しました。

ほとんどのエクセルのサイズが半分以下になるという結果でした。エクセルの動きもスムーズになり、パソコンへの負荷も減るためxlsx形式に変換することはメリットしかないです。

まとめ

本記事「【エクセル】拡張子xlsをxlsxに変更すべき理由:違いとマクロ実行の危険性」はいかがでしたか。

もしまだxls形式を使っているのであれば、すぐにでもxlsx形式に変更するようにしてください。あなたの周りに利用している人がいれば、その危険性を伝えて利用を控えるように伝えてあげてください。

エクセルには様々な仕事に便利な機能が備わっています。以下エクセルのまとめ記事では仕事に便利な機能を紹介しています。ぜひご覧いただき、ご自身の仕事に役立つ機能を見つけてください。