Microsoft 365とは:どのようなサービスかわかりやすく解説
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本記事ではMicrosoftが提供しているサービスである、Microsoft 365とはどのようなサービスかわかりやすく解説していきます。
無料でWordやExcelなどのOfficeアプリを利用できる方法もあるので、そちらについても解説しています。
Microsoft 365とは仕事で必要となる様々なOfficeアプリケーション(Outlook、Word、Excel、Teamsなど)をまとめて提供しているサブスクリプションサービスです。個人や中小企業、大企業向けとカテゴリーが分かれており、選択できるプランが多いです。
プランによって利用できるサービスが細かく違うため、この複雑なプラン体形によってプラン選定に時間がかかっている方が多いです。
ぜひ本記事を通して、Microsoft 365の各プランの特徴や利用可能なサービスについて理解を深めてください。
2025.12.15 記事を追記・修正いたしました
Microsoft 365とは
Microsoft 365の紹介
Microsoft 365とはMicrosoft社が提供しているOfficeアプリケーション(Outlook、Word、Excel、PowerPointなど)やサービスを利用できるサブスクリプション(月額課金制)のクラウドサービスです。
契約するプランによって利用できるサービスは異なりますが最新のOfficeアプリケーションや最新のWindows OS、クラウド上のデータ保存、大容量のクラウドストレージなどさまざまなサービスが1つにまとめられています。
Microsoft 365では従来のOfficeアプリだけでなくクラウドサービス(OneDriveやSharePointなど)やセキュリティ・管理機能(Azure AD、Intuneなど)が利用できます
Microsoft 365ではビジネスで必須のメールソフト(Outlook)、コミュニケーションツール(Teams)、ファイル共有(SharePoint、OneDrive)、ドキュメント作成(Word、Excel)がまとめて利用できるため、多くの企業で導入されています。
MicrosoftはMicrosoft 365への移行を推奨しています。Microsoft 365であればサポート切れの心配はないですし、社員数が多い企業や家族と一緒にOfficeアプリを使う人には割安感があります。
Microsoft 365で利用できるアプリケーション一覧
Microsoft 365で主に利用されるアプリケーションは以下の通りです。契約するプランによって利用できないアプリケーションもありますのでご注意ください。
| アプリケーション名 | 説明 |
|---|---|
| Outlook | 電子メールの送信/受信および予定管理 |
| Teams | チャットや通話、ビデオ会議が可能なコミュニケーションツール |
| Excel | 表計算ソフト |
| Word | 文章作成に必要な機能を数多く備えた文書作成ソフト |
| PowerPoint | プレゼンテーションの準備から本番までをサポートするプレゼンテーションソフト |
| SharePoint | 部門やプロジェクトで社内情報共有用のWebページ作成、情報やファイルの保存や共有 |
| OneDrive | クラウド上の大容量ストレージ |
| Exchange Online | 電子メールやカレンダー、連絡先などをクラウドベースで利用できるサービス |
| OneNote | 情報を記録するメモ(ノート)ソフト |
| PowerApps | ローコードでアプリケーションを作成できるソフト |
| Forms | アンケート作成ツール |
これらのアプリケーションはビジネスで必ず必要になるものばかりです。日々の業務で利用するOutlookやTeams、Excel、Wordは頻繁にアップデートされており、役立つ機能が豊富に備わっています。
従来のOffice製品(買い切り型)との違い
従来のOffice製品(買い切り型)は購入したら永続して利用できる買い切り型でした。Microsoft 365はサブスクリプション型(月額課金制)なので、「買い切り版かサブスクリプション型か」という大きな違いがあります。
買い切り版Officeであれば永続ライセンスのため一度購入すれば長期間利用することができます。しかし機能がアップグレードされることはなく、定められたサポート期間が終了するとセキュリティリスクが突如として発生します。
Microsoft 365は毎月一定の費用が発生しますが、常に最新のOfficeアプリケーションが利用でき、セキュリティも確保されています。それ以上に利用できるサービスの量が大きく違います。
ビジネスでの利用を検討しているならばMicrosoft 365の利用がおすすめです。
特に社員数が多い大企業であればMicrosoft 365の利用がいいでしょう。Microsoft 365のEntra IDやIntuneを利用すればユーザー管理・デバイス管理が楽になりますし、セキュリティも大幅に強化されます。
現在買い切り型としては「Office 2024(Office Home & Business 2024、Office Home 2024)」が用意されています。以下にOffice 2024の特徴を記します。
- 一度購入すれば継続的な料金の支払いがない(買い切り)
- バージョン2024のExcel、Word、PowerPoint、OneNoteなどが利用可能
- Office Home 2024は非営利目的の使用
- 同一のユーザーで2台(Businessでは15台)のデバイスで利用可能
- アップデートによる新機能の追加は限定的
常に最新の機能を使いたい方はMicrosoft 365の利用をお勧めです。個人の利用では問題ないですが、ビジネスでの利用としては、基本的にはMicrosoft 365を利用する方がいいでしょう。
| Microsoft 365 | Office Home 2024 | |
|---|---|---|
| 料金形態 | サブスクリプション | 買い切り |
| 利用できるアプリ | Outlook、Excel、Word、PowerPoint SharePointTeams、OneDriveなど |
Word、Excel、PowerPoint、OneNote |
| 同時利用可能デバイス数 | 5 | 2 |
| クラウドストレージ | あり | なし |
| 利用可能デバイス | パソコン、スマートフォン、タブレット | Windows、Mac |
| アップグレード | あり | なし |
| サポート期間 | 期限なし | 期限あり |
Microsoft 365のメリット
Microsoft 365のメリットは以下の通りです。
- サポート終了期限がないためアプリケーションの入れ替え作業が不要
- 様々なデバイスやOSで利用可能
- クラウドでデータを保存しているため端末の入れ替え時もすぐに利用できる
- 業務で必要なアプリがMicrosoft 365一つで揃う
- セキュリティが高い
- 初期コストが不要
- クラウドサービスのためBCP対策となる
- チーム内の作業を効率化するグループウェアが豊富
- ハードウェア障害によるデータロストの心配がない
無料でWordやExcel、PowerPointを利用するには
個人でWordやExcelなどOfficeアプリを利用するためにMicrosoft 365やOffice Home 2024は価格も高くハードルが高いです。
安くOfficeアプリを利用したい場合は無料で使えるWeb版Officeがおすすめです。以下に個人向けのOfficeアプリの選択肢を表にまとめて紹介します。
| Web版Office | Microsoft 365 Personal | Office Home 2024 | |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 1,490円/月、14,900円/年 | 34,480円(買い切り) |
| デスクトップアプリ | なし | あり | あり |
| 新機能追加 | あり | あり | なし |
| 同時利用可能デバイス数 | 制限なし | 5 | 2 |
| インターネット接続の有無 | 必須 | オフライン可 | オフライン可 |
| クラウドストレージ | 5GB | 1TB | 5GB |
| 商用利用 | × | 〇 | 〇 |
Web版Officeの特徴としては、ブラウザー上で動作するウェブアプリケーションということです。デスクトップで動くアプリではないです。
Web版OfficeはMicrosoftが無償で提供しているサービスであり、Microsoftアカウントがあれば誰でも利用できます。
Web版Officeについて詳しく知りたい方は以下記事をご参照ください。
Microsoft 365のプランについて
Microsoft 365は大きく分けて「個人および家庭向け」「一般法人向け」「大企業向け」の3つのカテゴリーに分かれます。(ここでは教育機関向けについては省きます)
- 個人および家庭向け
- 一般法人向け
- 大企業向け
- (教育期間向け)
それぞれのカテゴリーに合ったプランが用意されています。各カテゴリー別に次項より詳しく解説していきます。
私は社内SE(システムエンジニア)をしており、Microsoft 365の管理を行っています。私の会社で契約しているプランは大企業向けのMicrosoft 365 E3です
個人および家庭向け
Microsoft 365の個人および家庭向けのプランは以下の通りです。
- Microsoft 365 Family
- Microsoft 365 Personal
Microsoft 365 Family
2人以上の家族で利用する場合はMicrosoft 365 Familyがおすすめです。以下に特徴を記します。
- 年額払い21,000円/月額払い2,100円
- Outlook、Excel、Word、PowerPoint、Teams、OneDrive、OneNote、Editor、Clipchamp、Forms
- Microsoft Defender
- Microsoft Family Safety
- Access、Publisher(Windowsのみ)
- 最大6人のユーザーで利用可能
- 1ユーザーで最大5台まで同時使用が可能
- パソコンやスマートフォン、タブレットで利用可能
- 1ユーザーあたり1TBのクラウドストレージ(最大6TB)
- 常に最新のアプリケーション
- 24時間のMicrosoftサポート
1人で使うには割高ですが、2人以上で利用する場合はかなりお得なプランです。最大人数の6人で利用した場合は1人当たり年額3,500円となります。
またFamilyプランで利用できるFamily Safetyで使用時間設定など独自の設定が可能です。
Microsoft 365 Personal
個人で利用する場合はMicrosoft 365 Personalがおすすめです。以下に特徴を記します。
- 年額払い14,900円/月額払い1,490円
- Outlook、Excel、Word、PowerPoint、Teams、OneDrive、OneNote、Editor、Clipchamp、Forms
- Microsoft Defender
- Access、Publisher(Windowsのみ)
- 1ユーザーで最大5台まで同時使用が可能
- パソコンやスマートフォン、タブレットで利用可能
- 1TBのクラウドストレージ
- 常に最新のアプリケーション
- 24時間のMicrosoftサポート
個人事業主の方やプライベートでOfficeアプリケーションが利用したい方はMicrosoft 365 Personal一択となるでしょう。月額払いでも月1,490円でこれだけのサービスが利用できるのでかなりお得に感じます。
一般法人向け
一般法人向け、特に中小企業向けのプランとしてMicrosoft 365 Businessが用意されています。
中小企業と大企業を分けるポイントとしては、利用するユーザー数が300ユーザーいるかどうかです。Microsoft 365 Businessでは最大300ユーザーまでが利用できるため、300ユーザー以下の企業が検討されるプランになります。
Microsoft 365 Businessでは以下プランが用意されています。
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 Apps for business
Microsoft 365 Businessの各プランの価格(2025年12月現在)は以下の通りです。
| プラン名 | 価格 |
|---|---|
| Business Basic | 899円(1ユーザー/月) |
| Business Standard | 1,874円(1ユーザー/月) |
| Business Premium | 3,298円(1ユーザー/月) |
| Apps for business | 1,236円(1ユーザー/月) |
Teamsなしのプランであれば、料金はもう少し安価になります。ご自身が利用したいアプリケーションによって契約するサービスを選んでください
Microsoft 365 Business Basic
Microsoft 365 Business BasicはMicrosoft 365 Businessの中で最も安価で簡易的なプランです。だからといってビジネスで利用するには不十分というわけではありません。
Basicプランの注意点としてパソコンにインストールして利用できるデスクトップ版Officeアプリケーション(Outlook、Word、Excelなど)はインストールできません。デスクトップ版を利用したい方はStandardプラン以上を契約してください
Business Basicについて詳しくは以下記事をご参照ください。
Microsoft 365 Business Standard
Microsoft 365 Business BasicはMicrosoft 365 Businessの中では真ん中に位置するプランです。ビジネスで使用する上で、基本このプランであれば困ることはないでしょう。
Microsoft 365の公式サイトではBusiness Standardがお勧めプランとなっています。
Business Standardについて詳しくは以下記事をご参照ください。
Microsoft 365 Business Premium
Microsoft Businessの最上位プランがBusiness Premiumです。Business Standardの機能に加えてサイバー攻撃に対する高度なセキュリティが備わっています。
またIntuneも利用できるため、デバイス管理を行いたい企業におすすめです。
Microsoft Intuneとはパソコンやスマートフォンといったデバイス管理やアプリケーション管理ができるクラウド上のサービスです。Intuneは個人ではなく会社などの組織が利用しており、組織が貸し出しているモバイルデバイス(パソコンやタブレット、スマートフォン)の管理・制御を行います。
Microsoft 365 Apps for business
Microsoft 365 Apps for businessではデスクトップ版やWeb版、モバイル版のOfficeアプリケーション(Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneDrive)が利用可能です。
しかしTeamsやExchange Online、SharePointといったグループウェアが利用できないため、小規模なグループや部門での利用が適しています。
大企業向け
Microsoft 365では大企業向けとして以下プランを用意しています。
- Microsoft 365 E3
- Microsoft 365 E5
- Microsoft 365 F3
各プランの価格(2025年12月現在)は以下の通りです。
| プラン名 | 価格 |
|---|---|
| Microsoft 365 E3 | 5,397円(1ユーザー/月) |
| Microsoft 365 E5 | 8,545円(1ユーザー/月) |
| Microsoft 365 F3 | 1,199円(1ユーザー/月) |
利用するユーザー数が300ユーザー以上いる場合は、上記のプランから契約するプランを選んでください。
Microsoft 365 E3
大企業向けプランで最も人気があるのがMicrosoft 365 E3です。ほとんどのMicrosoftのサービスやアプリケーションが利用できます。
ユーザー数が300ユーザー以上の企業はMicrosoft 365 E3を選択することが多いです。
Microsoft 365 E5
Microsoft 365 E5は大企業向けで最上位のプランです。E3と比べてよりセキュリティ面が強化されています。
E5では高度な標的型サイバー攻撃に対して Microsoft Defender for Identity で保護、あらかじめ定義した信頼できないサイトを Microsoft Defender Application Guard で隔離、インサイダーリスク管理、組織内で使用されているアプリを把握し、サイバー脅威を特定して対処するMicrosoft Defender for Cloud Appsなどセキュリティ面は最高レベルです。
またE5ではPower BI Proによるビジネス分析も可能となります。
Microsoft 365 F3
Microsoft 365 F3は最も大企業向けとしては最も安いプランです。しかし他のプランと異なり利用できるサービスが限定的です。
例えばF3ではBusiness Basicのようにデスクトップ版のOfficeアプリケーションが利用できません。つまりWeb版とモバイル版のみの利用となります。
まとめ
本記事「Microsoft 365とは:どのようなサービスかわかりやすく解説」はいかがでしたか。
ここでは以下の項目について解説してきました。
- Microsoft 365について
- Microsoft 365で利用できるアプリケーション
- 従来の買い切り版との違い
- 無料でWordやExcelを使う方法
- Microsoft 365のプラン一覧
Microsoft 365はビジネスで必要なアプリケーションが揃っています。業務効率を向上させることは間違いないサービスです。
買い切り版のOfficeを利用されている方は、ぜひMicrosoft 365への切り替えを検討してみてください。またMicrosoft 365の導入を考えている方は本記事を参考にしてください。






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