【Windows11】管理者権限の付与手順:ユーザーを管理者にする
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本記事ではWindows11のパソコンで、管理者権限をユーザーに付与して管理者にする手順について詳しく解説していきます。
通常会社から貸与されているパソコンのアカウントは標準ユーザーであり、アプリのインストールやセキュリティ設定の変更など、パソコン全体に影響する変更はできないように設定されています。
またご家庭で共有しているパソコンでも、子供などのアカウントは標準ユーザーにしている場合も多いです。
その一方で、業務上どうしても管理者権限が必要になる場面もあります。また標準ユーザーから管理者へ格上げされることもあるでしょう。このような場面で即座に標準ユーザーに管理者権限を付与できるように操作方法を事前に確認しておくことが大切です。
本記事を通して、Windows11でユーザーに管理者権限を付与する方法について理解を深めてください。
Windows11:管理者権限をユーザーに付与するとは
Windows11にはユーザーの種類(権限レベル)として以下3つがあります。
- 管理者(Administrators)
- 標準ユーザー(Users)
- ゲスト(Guests)
Windows11における管理者(Administrators)は、そのパソコンで最も強い権限を持つユーザーです。管理者は標準ユーザーではできない特別な操作が可能なユーザーです。
パソコン内の「Administratorsグループ」に所属しているユーザーが管理者となります
たとえば次のような操作が管理者ではできます。
- アプリケーションやドライバーのインストール・アンインストール
- Windowsの設定変更(レジストリやサービスなど)
- ネットワーク設定の変更(IPアドレスあファイアウォール設定など)
- ユーザーアカウントの追加・削除・パスワード変更
組織では情報システム部門のスタッフやIT担当者が各パソコンの管理者アカウントを管理しています。
次に標準ユーザーは管理者ではない一般利用者です。組織では大半の人が一般利用者として貸出されたパソコンを使用しています。
標準ユーザーではパソコン全体に関わるような大きな変更は制限されています。以下は標準ユーザーが制限されている操作です。
- アプリケーションやドライバーのインストール・アンインストール
- ファイアウォールやセキュリティ関連の設定変更
- 他ユーザーアカウントの作成・削除・パスワード変更
- レジストリの変更
- システム領域への書き込み
- プリンタードライバーのインストール
このように標準ユーザーではできないことが多数あるため、管理者権限を標準ユーザーに付与したいと考える場面が多いです。
次項より管理者権限を標準ユーザーに付与する方法について解説していきます。
ここで説明する「管理者」はパソコンのローカルアカウントにおけるものです。Active DirectoryやEntra ID(旧Azure AD)における管理者とは異なりますので注意してください
Windows11で作成できるアカウントの種類
Windows11では以下3種類のアカウントを使用できます。
- ローカルアカウント
- Microsoftアカウント
- 組織のアカウント
ローカルアカウントはインターネットに接続せずに利用できるパソコン上のみで使用できるアカウント、MicrosoftアカウントはMicrosoftが提供しているサービスを利用できるアカウント、組織のアカウントとはActive DirectoryやEntra IDなど組織で管理されているアカウントを意味します。
それぞれのアカウントについて理解して、利用することが大切です。
管理者権限をユーザーに付与する方法
管理者権限をユーザーに付与する方法について解説していきます。
標準ユーザーに管理者権限を付与するとは対象のユーザーをAdministratorsグループに参加させることです。これによりそのユーザーはパソコン全体に影響する操作が可能となります。
管理者はそのパソコン上でなんでもできるユーザーです。そのため権限の付与は慎重に行ってください
また標準ユーザーに管理者権限を付与することができるのは管理者のみです。つまりそのパソコンの管理者に操作をお願いする必要があるということです。
組織であれば情報システム部門やIT担当者、家庭であればご両親などが管理者のアカウントを利用しているはずです。
管理者権限をユーザーに付与する方法として以下2つの方法を解説いたします。
- 設定アプリから管理者権限を付与する
- コマンドプロンプトから管理者権限を付与する
設定アプリから管理者権限を付与する
Windows11の設定アプリから標準ユーザーに管理者権限を付与する方法は以下の通りです。
- 管理者でログインする
- タスクバーにあるスタートボタンをクリックし、表示された画面から「設定」を選択する
- 表示された設定画面の左側にあるメニューから「アカウント」を選択し、画面右側から「他のユーザー」をクリックする
- 対象のユーザーの右側にある「∨」をクリックして展開する
- 展開されたメニューから「アカウントの種類の変更」をクリックする
- 表示された「アカウントの種類の変更」画面でアカウントの種類を「管理者」に変更して「OK」をクリックする





上記の流れで標準ユーザーに管理者権限を付与することができます。
コマンドプロンプトから管理者権限を付与する
コマンドプロンプトから管理者権限をユーザーに付与することもできます。
コマンドプロンプトを管理者権限で起動する必要があります
コマンドプロンプトを「管理者として実行」から起動したら、以下のコマンドで「管理者(Administrators)」グループに追加します。
net localgroup administrators (ユーザー名) /add
上記のコマンドで対象のユーザーを管理者グループに追加できます。追加できたかの確認には以下コマンドを実行してください。
net localgroup administrators
表示されたユーザー一覧に追加したユーザーがあれば管理者グループに正常に追加されています。
ユーザー名の確認をしたい場合は以下コマンドから確認できます
net user
ユーザーから管理者権限を削除する方法
一時的に管理者権限を付与していた場合、必ず管理者権限を削除する必要があります。
設定アプリから管理者権限を持つユーザーの管理者権限を削除する方法は以下の通りです。
- 管理者でログインする
- タスクバーにあるスタートボタンをクリックし、表示された画面から「設定」を選択する
- 表示された設定画面の左側にあるメニューから「アカウント」を選択し、画面右側から「他のユーザー」をクリックする
- 対象のユーザーの右側にある「∨」をクリックして展開する
- 展開されたメニューから「アカウントの種類の変更」をクリックする
- 表示された「アカウントの種類の変更」画面でアカウントの種類を「標準ユーザー」に変更して「OK」をクリックする





上記の流れで標準ユーザーから管理者権限を削除することができます。
またコマンドプロンプトから管理者権限を削除したい場合は以下コマンドを実行してください。
net localgroup administrators (ユーザー名) /delete
まとめ
本記事「【Windows11】管理者権限の付与手順:ユーザーを管理者にする」はいかがでしたか。
ここでは以下の項目について解説してきました。
- Windows11で管理者権限をユーザーに付与することについて
- 管理者権限をユーザーに付与する2つの方法
- ユーザーから管理者権限を削除する方法
管理者権限はパソコン上で操作を可能とする影響力の大きな権限です。付与する際は十分に注意して行うようにしてください。