【SharePoint】編集したファイルを過去の状態(バージョン)に戻す・復元する方法
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本記事ではMicrosoftのSharePointにおける、編集したファイルを過去の状態(バージョン)に戻す・復元する方法について解説していきます。
SharePointはクラウドのファイル共有サービスとして多くの企業で利用されています。
仕事などでSharePoint上のファイルを操作していると、誤って上書き保存してしまった場面や、ほかのユーザーが正しくない情報で編集した際に編集する以前の状態や過去のある時点の状態に戻したいことはよくあります。
このような場面で利用できる機能として、SharePointには「バージョン履歴(ファイルの変更履歴)」機能が備わっており、この機能を利用することで過去に遡ってファイルを復元すること可能となります。
本記事を通して、SharePointのバージョン履歴機能でファイルを過去の状態に戻す方法について理解を深めてください。
ここではMicrosoft 365による最新のSharePointを使用しています。
Microsoft 365とはMicrosoft社が提供しているOfficeアプリケーション(Outlook、Word、Excel、sharePoint、PowerPointなど)やサービスを利用できるサブスクリプション(月額課金制)のクラウドサービスです
2025.12.09 記事を追記・修正いたしました
SharePoint
SharePointとは
SharePointはMicrosoftが提供しているクラウドサービスの一つであり、クラウド上にファイルの保管や共有を可能にする大容量のクラウドストレージです。SharePointを利用することで組織内のファイル共有をクラウド上で行うことができます。
クラウド上にファイルを保存できるため、いつでもどこでもインターネットさえつながっていれば利用することができます。
インターネットにつながっていればパソコンからだけでなく、スマートフォンやタブレットなど様々な端末でアクセスが可能です
ここでのSharePointとは「SharePoint Online」を指しています。SharePointには次のような特徴があります。
- 大容量のクラウドストレージ
- アクセスできるファイルを制限するアクセス管理
- パソコンやスマートフォン、タブレットなど様々な端末からアクセスが可能
- バージョン管理機能
- 社内の情報共有や情報発信として利用できるサイト機能
- データが暗号化されて転送・保存される等の高度なセキュリティ機能
- OneDriveやTeamsとの連携
- テレワークに強い
Microsoftのクラウドストレージサービスには他にOneDriveがあります。SharePointとOneDriveの使い分けについて分からない人が多いですが、OneDriveは個人用として利用して、SharePointは組織内の共有用としてそれぞれ利用するのが基本です。
SharePointについて詳しく知りたい方は以下記事をご参照ください。
SharePointとマクロ
SharePointにはエクセルファイルを保存する方も多いですが、SharePoint上ではマクロ付きエクセルのマクロは使用できないと思われがちです。
実はクリックしてブラウザ上でエクセルを開くのではなく、アプリでエクセルを開くことでSharePointに保存されているエクセルでも問題なくマクロを実行することができます。
詳しい方法については以下記事をご参照ください。
SharePoint内のファイルを過去の状態に戻す・復元する方法
私は社内SE(システムエンジニア)として働いており、パソコンやアプリケーションに関するさまざまな問い合わせに日々対応しております。
社内ではクラウドストレージとしてSharePointを利用しており、SharePointに関する次のような問い合わせがくることがあります。
- 誤って上書き保存してしまったので保存する前の状態に戻したい
- 誰かがデータを消している。消す前の状態に戻したい
- ファイルが壊れて開くことができない。壊れる前の状態に戻したい
SharePointに格納されているファイルは社内の多くのスタッフが編集を行います。そのため多岐にわたる問題が発生します。
例えば「間違えて中身の一部を削除して保存してしまった」や「変更した箇所がわからない」といった問い合わせがあります。
SharePoint内のファイルは組織のメンバーで共同編集できるのがメリットではありますが、その分編集に関する問題が頻繁に発生します
このような過去のある時点の状態にファイルを戻したい場合、SharePointに備わっている機能「バージョン履歴(ファイルの変更履歴)」を利用しましょう。
SharePointに備わっている「バージョン履歴(ファイルの変更履歴)」機能は保存された過去の状態(変更履歴)を使ってファイルを過去のある時点の状態に戻す・復元する機能です。
バージョン履歴機能は今現在のファイルを過去の一時点の状態に復元できる機能
ファイルのバージョンが生成されるタイミングはファイルが保存されたときです。
このバージョン履歴機能を使ってできることは以下4つです。
- 過去のバージョンの状態を閲覧
- 過去のバージョンで復元
- 過去のバージョンのファイルをダウンロード
- 過去のバージョンの削除(通常はしない)
バージョン履歴(ファイルの変更履歴)を表示する
バージョン履歴機能を使うためには、まずバージョン履歴を表示する必要があります。以下の流れで対象ファイルのバージョン履歴(Version history)を表示できます。
- SharePointを開く
- 対象のファイルを右クリックする
- 表示されたメニューから「バージョン履歴」をクリックする
上記の操作により次図のようなバージョン履歴画面が表示されます。
バージョン履歴画面には対象ファイルが保存された時点のバージョンが表示されています。この画面には以下の情報が表示されています。
- バージョン番号
- 更新日時
- 編集者
- サイズ
- コメント
更新日時を見ることで、いつ変更されたファイルなのかが確認でき、編集者で誰が編集したのか確認できます。
更新日時のリンクをクリックすることでその時点の状態のファイルを開くことができます。
バージョン履歴機能はデフォルトで有効になっていますが、もしバージョン履歴が表示されない場合は管理者によって使えない設定になっている可能性があります。
過去の状態にファイルを復元(置き換える)
バージョン履歴の画面から過去のバージョンを現在のファイルとして復元することができます。
ファイルを過去バージョンから復元するには以下の操作を行います。
- 目的のバージョンの日付にマウスポインターを置く
- 右側に表示される下矢印をクリックする
- 表示されたメニューから「復元」を選択する
- 確認ダイアログが表示されますので、「OK」を選択する
上記の方法でファイルを過去バージョンから復元が実行され、復元されたバージョンが最新バージョンとして表示されます。
また過去のバージョンを開いた状態で、画面上部にある「復元」ボタンをクリックすることでも、ファイルを過去の状態に復元することもできます。
過去のファイルをパソコンに保存する
ファイルの復元はせずにバージョン履歴から過去のバージョンファイルをパソコンに保存することもできます。
たとえば現在の状態と過去の状態でどのような違いがあるかチェックしたいときなどで使用されます。
過去バージョンのファイルを保存する方法は以下の通りです。
- 保存したバージョンの更新日付をクリックしてファイルを開く
- 画面左上にある「ファイル」タブをクリックする
- 「名前を付けて保存」で該当ファイルをパソコンに保存する
上記の方法で過去バージョンのファイルを復元することなく、パソコンに保存することができます。
誤って削除したファイルを復元する方法
SharePointを日々の業務で利用していると誤ってSharePoint上のファイルを削除してしまうこともあります。
では削除してしまったファイルはどうなるのか?間違えて削除したファイルは復元できるのか?
実はSharePointで削除したファイルは一旦ゴミ箱に移動します。SharePointで削除したファイルについて詳しくは以下記事をご参照ください。
まとめ
本記事「【SharePoint】編集したファイルを過去の状態(バージョン)に戻す・復元する方法」はいかがでしたか。
ここでは以下の項目について解説してきました。
- SharePointについて
- SharePointのバージョン履歴機能について
- バージョン履歴を表示する方法
- バージョン履歴でファイルを復元する方法
- 過去のバージョンをパソコンにダウンロードする方法
変更履歴から間違って保存する前の状態に戻せる機能を紹介しましたが、案外この機能の存在を知らない方が多いです。ぜひ仕事やプライベートで利用してみてください。




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