【エクセル】重複削除のやり方|重複データを一つだけ残す方法まとめ
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本記事ではMicrosoftのエクセルにおける、重複データを削除して一つだけ残す方法(重複削除)について詳しく解説していきます。
エクセルで大量のデータを管理していると、同じデータが複数回登録されてしまうことがあります。
重要な顧客リストや在庫マスタのエクセルで重複データがあると重大なミスにつながる恐れがあります。
エクセルには表やリストから重複データを削除する機能が備わっており、重複データを一括で処理し、各データを1つだけ残して処理することができます。
本記事を通して、エクセルで重複削除のやり方について理解を深めてください。
ここではMicrosoft 365による最新のエクセルを使用しています。
Microsoft 365とはMicrosoft社が提供しているOfficeアプリケーション(Outlook、Word、Excel、SharePoint、PowerPointなど)やサービスを利用できるサブスクリプション(月額課金制)のクラウドサービスです
エクセル:重複データを削除するとは
業務ではエクセルで商品管理や顧客管理、社員管理、発注管理などさまざまな用途で利用され、シート内に蓄積されるデータ量も膨大なものになります。
このようなエクセルファイルでは人的ミスによって同じデータが重複して登録されてしまうことがあります。
商品データや顧客のメールアドレスなど重要なデータで重複が発生していると、思わぬ重大なミスにつながる恐れがあります。
そのため重複データがないか確認する操作と、重複データを削除する操作を理解し、実際に使っていくことが非常に重要です。
重複したデータをなくすことで、データの正確性を保ち、重大なミスの発生を防ぎます
ここでは重複データを削除する方法について解説しています。重複データの削除を具体的に説明すると、同じ内容のデータが同じエクセル上(表やリスト)にある場合、それらから重複しているものを取り除き、一つだけ残す操作を意味します。
重複データを確認する方法(重複チェック)については以下記事をご参照ください。
重複データを削除して一つだけ残す方法
エクセルで重複データを削除して一つだけ残す方法として以下3つの方法をご紹介します。
- 重複の削除機能を使用する
- 条件付き書式で色付けして削除する
- COUNTIF関数で抽出した重複データを削除する
それぞれの方法について次項より詳しく解説していきます。
重複の削除機能を使用する
エクセルには指定した列で同一のデータがあった場合にそれらを一つの行にまとめる機能が備わっています。
指定する列は1列でも複数列でも可能
この機能はデータタブにある「重複の削除」で実行することができます。同一データを一つの行にまとめる際は、最初の行を残して他を削除する動作を行います。
エクセルの重複の削除機能を使う流れは以下の通りです。(ここでは次図のサンプルデータから氏名の列を指定して、氏名が重複する行を削除します。)

- 対象となるテーブル内のセルを一つ選択する
- 画面上部にある「データ」タブをクリックし、データツールグループにある「重複の削除」をクリックする
- 表示された重複の削除画面で、対象の表の先頭行が見出しでない場合は「先頭行をデータの見出しとして使用する」のチェックを外す
- 重複判定に使用したい列のみにチェックして「OK」をクリックする
- 画面上に「〇個の重複する値が見つかり、削除されました。〇個の一意の値が残ります」という結果が表示されるので「OK」をクリックする




上記の操作により、指定した表で重複したデータ(行)が削除されます。
重複データで残るのは現在の並び順で最初に出てくる行です。残したい行がある場合は重複の削除を実行する前にデータの並び替えを行ってください
条件付き書式で色付けして削除する
エクセルには条件付き書式という特定の条件を満たした際に設定した書式(色付け、フォントなど)に自動的に変更する機能が備わっています。
この条件付き書式で重複データのセルに色付けて判別し、各重複データから1つだけ残して他を削除することで、表から重複データを取り除くことができます。
エクセルの表で重複した値を色付けする条件付き書式の設定方法は以下の通りです。
- 重複チェックをしたい範囲や列を選択する(ここでは氏名列を選択)
- ホームタブのスタイルグループにある「条件付き書式」をクリックし、表示されたメニューから「セルの強調表示ルール」<「重複する値」を選択する
- 表示された重複する値画面から左側は「重複」、右側の書式では任意の書式を指定して「OK」をクリックする



上記の操作により、選択した範囲内で重複したデータを色付けすることができます。

色付けされたデータから一つだけ残すデータ以外を削除することで表から重複を取り除くことができます。
しかし上記の方法では一つだけ残すデータにも色付けされるため、誤って残すべきデータも削除してしまう可能性があります。
そこで2回目以降に出現した重複データだけ色付けする方法も併せてご紹介しておきます。この方法では数式も用いるため若干難易度が高くなっています。
2回目以降の重複データのみを色付けする方法は以下の通りです。ここではメールアドレスの列(D列)を指定し、メールアドレスが重複する場合に色付けするようにします。
- 重複チェックをしたい範囲や列を選択する(ここではメールアドレスD列を選択)
- ホームタブのスタイルグループにある「条件付き書式」をクリックし、表示されたメニューから「新しいルール」を選択する
- 表示された新しい書式ルール画面で「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択する
- 数式の入力欄に「=COUNTIF(範囲, 検索条件) > 1」を入れる。今回の例では以下の数式となります。(重複判定がD列の場合)
- 書式ボタンを押して色付けの設定を行い、「OK」をクリックする



=COUNTIF($D$2:D2, D2) > 1


上記の操作により、2回目以降の重複データのみが色付けされるようになります。

あとは色付けされたセルの行を削除すれば表から重複データを取り除けます。
複数列の組み合わせで重複チェックをしたい場合は、以下のような数式を入力してください。
=COUNTIFS($A$2:A2, $A2, $B$2:B2, $B2) > 1
COUNTIF関数で抽出した重複データを削除する
COUNTIF関数で重複データを抽出して削除する方法をご紹介します。
前項ですでにCOUNTIF関数は使用していますが、COUNTIF関数とは指定した範囲で特定の条件に一致するセルの数を数える関数です。構文は以下の通りです。
=COUNTIF(範囲, 検索条件)
COUTIF関数の第一引数には対象とするセル範囲、第二引数には検索条件を指定します。
このCOUNTIF関数を使って、範囲内で同じデータの個数をカウントします。つまりCOUNTIF関数で返される値が2以上であれば重複データであるため、それらを削除することで重複データを表から取り除けるということです。
まずは以下の操作で重複データを確認します。
- 重複チェック用の列を追加する
- 表の先頭セルに「=COUNTIF(」と入力する
- 次に第一引数の範囲を入力する(範囲では必ず絶対参照の「$」を付けるようにしてください)
- 次に第二引数の検索条件を入力する(ここでは対象データのセルを指定する)
- Enterキーを押して数式を確定させる
- 数式を入力したセルの右下にある小さな四角(フィルハンドル)を下にドラッグし、数式下のセルにコピー(オートフィル)する





上記の操作により、新しい列に重複データのカウント数が表示されるようになります。このカウント数が2以上であれば、重複していることを意味します。

そのため各重複データから一つを残して削除すれば、表から重複データを取り除くことができます。
複数列の組み合わせで重複チェックをしたい場合は、COUNTIFS関数を使って以下のような数式を入力してください。
=COUNTIFS(A:A, A2, B:B, B2)
まとめ
本記事「【エクセル】重複削除のやり方|重複データを一つだけ残す方法まとめ」はいかがでしたか。
ここでは以下の項目について解説してきました。
- エクセルで重複データを削除することについて
- 重複データを削除する3つの方法
重要な管理表で重複データを放置しておくと、集計で二重計上などさまざまなミスにつながります。
業務に支障をきたさないように、重複データを削除する方法を覚えて、随時実行できるようにしておきましょう。
エクセルには他にも様々な仕事に便利な機能が備わっています。以下エクセルのまとめ記事では仕事に便利な機能を紹介しています。ぜひご覧いただき、ご自身の仕事に役立つ機能を見つけてください。