【Excel】動きが遅い(重い)、頻繁にフリーズする問題の原因と対処方法
2022.05.08 /

本記事ではMicrosoftのエクセル(Excel)で動きが遅い・重い、頻繁にフリーズする問題の原因と対処方法について解説していきます。
エクセルを利用していて動きが遅くなったり、突然フリーズした経験は多くの人があると思います。
仕事で頻繁に利用するエクセルの動きが遅いと、無駄に時間を費やしてしまいます。
本記事ではこれら問題を解決するトラブルシューティングの方法を紹介します。
発生する問題(動きが遅い・フリーズする・応答なしが表示)
エクセルは仕事やプライベートでも頻繁に利用するツールの一つです。
とても便利なエクセルですが、様々な問題が発生します。本記事は次のような問題に対して有効な方法を紹介します。
- エクセルファイルの動きが遅い(重い)
- 突然「応答なし」のウィンドウが表示され、エクセルが落ちた
- エクセルがフリーズして動かなくなった
上記の問題が頻繁に発生する場合は、ここで紹介する解決方法を試してみてください。
エクセルが遅い原因
エクセルの動きが遅くなったり、フリーズしたりするのは以下の原因が考えられます。
- エクセルのファイル形式が古い(拡張子がxlsである)
- たくさんのアプリケーションやエクセルを開いている(メモリ不足)
- エクセルファイルの容量(サイズ)が大きい
- エクセルの中身(マクロ・参照関数・ルール)に問題がある
- エクセルアプリケーションの問題
これらの原因に対する対処方法について次項より解説していきます。
xlsファイルを最新バージョン(xlsxまたはxlsm)に変更する
エクセルファイルにはいくつか異なるファイル形式が存在します。その中のxls形式はMicrosoft Excel 2003までの標準拡張子です。
もし利用しているエクセルの拡張子がxlsであった場合は、最新の拡張子(xlsxまたはxlsm)にすることで問題が改善する可能性があります。
そもそも現代ではxls形式のエクセルを利用していることは非常識な人、またはITリテラシーが乏しい人だと判断されます。
そのためもしxls形式のエクセルを利用しているならば、早急に最新のファイル形式を利用するようにしましょう。xls形式を最新にするべき理由について詳しくは以下記事をご参照ください。

【エクセル】拡張子xlsをxlsxに変更すべき理由:違いとマクロ実行の危険性
古いxls形式から最新のxlsxまたはxlsmに変換するメリットは次の通りです。
- エクセルの動作が安定する
- ファイルの容量が半分以下に減る
- ITリテラシーが乏しい人間と判断されない
古い拡張子のエクセルを最新の拡張子にする方法は次の通りです。
- xls形式のエクセルを開く
- ファイルをクリック
- 「名前を付けて保存」を選択
- ファイルの種類を「Excelブック(*.xlsx)」または「Excelマクロ有効ブック(*.xlsx)」に変更し「保存」をクリック



利用しているエクセルファイルにxls形式があれば、まずは最新の形式に変換してみてください。
他のアプリケーションを閉じる
使用しているパソコンのスペックにもよりますが、多くのアプリケーションやエクセルを開いていることが問題の原因であることがあります。
多くのアプリケーションやエクセルを同時に開いているとメモリが不足し、結果としてエクセルの動作が遅くなったりフリーズしてしまいます。
そのため不必要なアプリケーションやエクセルは極力閉じるようにし、メモリの消費を抑えるようにしましょう。またはパソコンのメモリを増設するなど、スペックを高くすることも問題解決に繋がります。
エクセルファイルを軽くする
エクセルのサイズが極端に大きいと、その分パフォーマンスが低下して動作が遅くなります。過去にシートが数百もあるエクセルを利用しているスタッフで、頻繁にエクセルがフリーズ・クラッシュするという問題が発生したことがあります。
この場合の解決方法は単純にファイルサイズを小さくすることです。ファイルサイズを小さくする方法は以下の通りです。
- 不必要なシートを削除する
- エクセルファイル内の画像を圧縮する
不必要なシートを削除する
1つのエクセルに次々とシートを追加して、何年も同じエクセルを利用している方がいらっしゃいます。そういう方のエクセルを見ると、シートの数が数百にもなっていることがあります。
当たり前のことですが、シート数が多ければそれだけファイルサイズも大きくなります。
最も簡単なシート数の確認は、シート数は「印刷プレビュー」画面で確認することができます。

シート数が多い場合は、少なくしてファイルサイズを小さくしてみましょう。
エクセルファイル内の画像を圧縮する
画像を利用しているとエクセルのファイルサイズは大きくなりがちです。不要な画像は削除して、必要な画像も圧縮してサイズを小さくするようにしましょう。
エクセル内のすべての画像を圧縮する方法は以下の通りです。
- エクセル内の画像を1つクリックして選択
- 「図の形式」タブを選択し、「図の圧縮」アイコンをクリック
- 表示された「画像の圧縮」画面から「この画像だけに適用する」のチェックを外す。希望の解像度を選択し、「OK」をクリック


上記の流れでエクセル内すべての画像を圧縮できます。
画像を圧縮すると元の解像度に戻すことはできません。画像の圧縮を行う前に念のためバックアップを取るようにしましょう
エクセルの中身(マクロ・参照関数・ルール・アドイン)を修正する
エクセルの中身(マクロ・参照関数・ルール・アドインなど)を修正することで、問題の改善に繋がることが多いです。
主に以下のことを行うことをお勧めします。
- 不要なマクロを削除する
- 関数の計算方法を自動から手動にする
- 数式・関数を数値に変換する
- ルールを削除・見直す
- アドインを無効にする
- 新しいファイルを作成する
不要なマクロを削除する
利用していない不要なマクロがエクセルにある場合、削除しておきましょう。実は見えないところで動いていて、なにかしらの問題を発生させている可能性があります。
マクロの削除方法は以下の通りです。
- エクセルを開く
- 「開発」タブを選択
- 「マクロ」を選択
- 削除するマクロを選択し、「削除」をクリック


関数の計算方法を自動から手動にする
VLOOKUPやCOUNTIF、SUMIFなどの関数を多用している場合、エクセルを開く度・セルを変更する度に計算が実行されます。
大量のセルでこれら関数を使っていると膨大な計算量が毎回発生し、エクセルの動きを遅くしたりフリーズさせる問題を発生させます。
どうしても使用する関数を少なくできない場合は、計算方法を「自動計算」から手動に変更することでエクセルの動きが早くなります。
計算方法の設定を変更する方法は以下の通りです。
- エクセルを開く
- 「数式」タブを選択
- 「計算方法の設定」から「手動」を選択

上記の流れで自動計算を無効にできます。セルを編集して計算を実行したい場合は、「計算方法の設定」の右にある「再計算実行」または「シート再計算」をクリックしてください。

「再計算実行」と「シート再計算」にはショートカットキーが用意されており、キーボード操作のみで実行できるようになっています。
- 再計算実行:F9キー
- シート再計算:Shift + F9キー
数式・関数を数値に変換する
再計算を必要としない数式や関数を数値に変換して、計算量を減らすことも有効です。
計算された値をメモまたはコピーしておいて、数式を削除後に手入力または貼り付けをすれば簡単に数式・関数を減らすことができます。
ルールを削除・見直す
「書式設定」や「条件付き書式」が大量に設定されていると、エクセルの問題に起因することが考えられます。
「ルールの管理」から不必要なルールを削除しましょう。
- エクセルファイルを開く
- 「ホーム」タブを選択
- 「条件付き書式」から「ルールの管理」を選択

アドインを無効にする
エクセルにインストールされているアドインの分だけエクセルは重くなります。アドインはエクセルに機能を追加する便利な機能ですが、必要のないアドインは削除するようにしましょう。
アドインを無効にする方法は以下の通りです。
- エクセルファイルを開く
- 「ファイル」タブ>「オプション」を選択
- 左側から「アドイン」をクリックし、右側の管理からアドインの種類を選び「設定」を選択
- すべてのアドインからチェックを外す

アドインの種類には「Excelアドイン」や「COMアドイン」などがありますので、それぞれ確認しておきましょう。
新しいファイルを作成する
長い年月同じエクセルを利用しているなら、一度新しいファイルにしてみることも有効です。
新規でエクセルブックを作成し、古いファイルの中身をコピペ(コピーはCtrl + AしてからCtrl + C、貼り付けはCtrl + V)しましょう。これでデータや計算式、書式も貼り付けできますので、ぜひ試してみてください。
エクセルのアプリケーションを修復する
エクセルアプリケーションに問題があって、エクセルの動きに支障が出ていることも考えられます。
Officeプログラムの修復を実行することでExcelを含むOffice製品の不具合を修復してくれます。以下の流れでOfficeプログラムの修復を実行してみてください。
- コントロールパネルを起動
- 「プログラムのアンインストール」を選択
- 「Microsoft 365 Apps」を選択>右クリック>変更をクリックする
- クイック修復またはオンライン修復を選択し「修復」ボタンを選択



クイック修復はインターネットに接続してなくても可能であり、比較的すぐに修復が完了します。オンライン修復はインターネット接続が必須であり、修復には時間がかかります。
順番としてはクリック修復を試してみて、治らなければオンライン修復を実行してください。
まとめ
本記事「【Excel】動きが遅い(重い)、頻繁にフリーズする問題の原因と対処方法」はいかがでしたか。
ここで紹介したようにエクセルの動きが遅くなったり、フリーズ、応答なしになる原因は多岐にわたります。
まず行うべき対策はファイルのサイズを小さくすることです。それで効果がなかったら別の方法を1つ1つ試してみてください。