【VPN】通信速度が遅いときの原因や対処方法について

2024.03.04 /

【VPN】通信速度が遅いときの原因や対処方法について

記事ではVPNにおける、VPN接続後に通信速度遅いときの原因や対策について詳しく解説していきます。

テレワークが多くの企業で導入されたことにより、VPNを利用する企業も同様に増加してきました。これはVPNを利用することで自宅からでもセキュアな通信を構築し、かつ社内のリソースにアクセスできるようなるためです。

VPNは便利ではありますが様々な問題を引き起こすことがあります。その問題の一つに通信速度が遅くなる問題があります。

本記事を通して、VPN接続後の通信速度が遅くなる問題の原因や対処方法について理解を深めてください。

VPNとは

VPN(Virtual Private Network)とは「仮想的な専用回線」を構築する技術です。VPNを利用することによりあたかも専用回線を引いたようにセキュアな通信を行えるようになり、遠隔地からでも安全にネットワークリソースにアクセスできるようになります。

ビジネスでもVPNの利用する企業は多く、セキュアなネットワーク接続環境のためや社外から社内システムの利用を可能にするなどの目的があります。

VPNを使用するメリット・デメリットは次の通りです。

VPNのメリット
  • 通信を暗号化してセキュアな通信が行える
  • 遠隔地から社内システムを利用できる
  • 地域による制限を免れることができる
VPNのデメリット
  • 通信速度の低下
  • 高いコストがかかる
  • アクセスキーなどが漏洩すると情報をすべて盗まれる

VPNのメリット・デメリットについて詳しくは以下記事をご参照ください。

WindowsのパソコンでVPNに接続する方法については以下記事をご参照ください。

VPN:通信速度が遅くなる原因

私は社内SE(システムエンジニア)として働いており、様々なパソコンやアプリケーションに関する問い合わせに日々対応しています。

VPN接続に関する問い合わせも多く、次のような問い合わせを受けることがあります。

VPN接続に関する問い合わせ

VPN接続後の通信速度が遅い。共有フォルダにアクセスしても開くまでに時間がかかる

このようなVPN接続後の通信速度が遅い問題の原因として次のようなものが考えられます。

通信速度が遅くなる原因
  • ルーターやWi-Fi機器の動作が正常ではない
  • VPNサーバー側の高い負荷
  • 元のインターネット接続の速度が遅い
  • インターネットプロバイダの問題
  • VPNプロトコルによる影響

ルーターやWi-Fi機器の動作が正常ではない

自宅のルーターやWi-Fi機器の動作が不安定なため、通信速度に影響がでている可能性が考えられます。

VPNサーバー側の高い負荷

多くのスタッフが同時にVPN接続を行うことでVPNサーバーへのアクセスが多くなり、大量のトラフィックが生じます。

これに伴い社内のリソース(共有フォルダ)へのアクセス速度が遅くなることが考えられます。

元のインターネット接続の速度が遅い

VPNの通信速度は元のインターネットの速度も影響します。つまり元のインターネット接続の速度が遅ければVPN接続を介した通信速度も遅くなるということです。

インターネットプロバイダの問題

VPNサーバー側のインターネット回線(プロバイダ側)で通信の遅延やアクセス断などの問題が発生している可能性があります。また通信の帯域幅が不足していることも考えられます。

VPNプロトコルによる影響

VPN接続で用いているVPNプロトコルによって通信速度は変わります。基本的に安全性が高いセキュアなVPNプロトコルは通信速度がその分遅いです。

VPN:通信速度が遅くなる問題の対処方法

VPN接続後の通信速度が遅い場合の対処方法は次の通りです。

通信速度が遅い場合の対処法
  • ルーターやWi-Fi機器の再起動
  • VPNサーバーの再起動
  • VPNクライアントアプリケーションの更新
  • 高速な通信回線に切り替える
  • VPNサーバーの増設
  • VPNプロトコルを変更する
  • アクセスする時間を変える

ルーターやWi-Fi機器、VPNサーバーの再起動

まずは自宅のルーターやWi-Fi機器の再起動をしてください。またVPNサーバーの再起動も効果的です。

私の場合

VPN接続後に社内リソースへの通信が遅いという場合は、まずパソコンや自宅ルーター、Wi-Fi機器の再起動をお願いしています

問題の切り分けとして、スマートフォンのテザリングやモバイルWi-Fiを使ってインターネットに接続した状態でのVPN接続を試してもらうのもお勧めです。自宅インターネット以外ではVPNの速度に問題がないようであれば、自宅のネットワーク機器に問題があると判断できます。

VPNクライアントアプリケーションの更新

利用者側の端末にインストールしているVPNクライアントアプリケーションが古い場合、最新のバージョンにアップデートしましょう。

最新のアプリケーションにアップデートすることで速度が改善する可能性があります。

高速な通信回線に切り替える

VPNの通信速度は元のネットワーク速度に大きく影響を受けます。そのため高速な通信回線に変えることで問題が改善する可能性が高いです。

いきなり通信回線を変更するのは難しい人も多いので、以下に記す方法を行ってみてください。

  • Wi-Fiルーター(アクセスポイント)の設置場所を変更する
  • VPN接続時だけスマフォのテザリングなど別のインターネット回線を利用する

Wi-Fiルーターの設置場所については以下記事を参考にしてください。

VPNサーバーの増設

同時アクセス数が多いことによる高いトラフィックが原因で速度が落ちている場合、VPNサーバーを増設することで問題が解消されます。

一台のVPNサーバーでは処理できるトラフィックには限界があるので、複数台のVPNサーバーで負荷を分散できるようにしましょう。

VPNプロトコルを変更する

既述している通り、VPN接続で用いているVPNプロトコルによって通信速度は変わります。

安全性が高いOpenVPNを利用しているユーザーは多いですが、IKEv2/IPSecやWireGuardなどより速度が速い他のプロトコルの利用を検討してもいいかと思います。

アクセスする時間を変える

同時アクセスする人数が多いことが原因であれば、アクセス人数が少ない時間帯に利用することで問題が解消されることが考えられます。

まとめ

本記事「【VPN】通信速度が遅いときの原因や対処方法について」はいかがでしたか。

在宅勤務ではVPN接続が必要不可欠なものとなっています。通信速度が遅いと業務の効率に直結しますので、本記事で紹介した方法を実行して問題を解決してください。