Power Appsとは:必要なライセンス(価格)や特徴について
2023.05.11 /
本記事ではMicrosoftのPower Platformの一つ、Power Appsの概要や特徴について詳しく解説していきます。
Power Appsを利用するための必要なライセンス(価格)についても解説しておりますので、現在の自分の環境で利用できるかの確認もしてみてください。
ぜひ本記事を通して、Microsoft Power Appsについて理解を深めてください。
Power Appsとは
Power AppsとはMicrosoft社が提供しているローコード・ノーコードで業務アプリケーションを開発できる開発プラットフォームです。
ローコードとは少しのプログラミング言語の記述でアプリを開発することを意味し、ノーコードとはプログラミング言語を一切記述せずに開発することです
つまりPower Appsを利用することでプログラミングの経験や知識が乏しい人でも自分の手で「簡単に」「素早く」アプリを作成することができるということです。
コーディングをほとんどすることなく、非ITの方でも業務で利用できるアプリを作成できます。今まで外注していたアプリ開発を自分たちで開発することも可能になりました。
Power Appsの特徴
Power Appsは以下のような特徴があります。
- Webブラウザのみで開発ができる
- 簡単にアプリが開発できる:ローコード、ノーコード開発
- Microsoft製品や外部サービスとの連携
- モバイルアプリ用の機能が簡単に追加できる
- AI機能を利用
- 日本語が対応している
- 共同作業・共同開発が可能
- Teamsアプリに作成したアプリを追加できる
- 豊富なテンプレート
- Power Automateによる自動化
Webブラウザのみで開発ができる
Power Appsによるアプリの開発はすべてWebブラウザ上から行います。EdgeやChrome、Firefoxといったブラウザに対応しています。
特別なソフトのインストールなどは必要なく、パソコンとインターネット環境があればいつでもアプリ開発ができます。
簡単にアプリが開発できる:ローコード、ノーコード開発
Power Appsは非ITの方でもアプリケーションの開発ができる開発プラットフォームです。
Power Appsでは「コントロール」と呼ばれる部品を画面上にドラッグ&ドロップして配置してアプリを作成します。必要な機能が部品として用意されていますので、それらを配置して簡単な関数を記述する流れでアプリを開発していきます。
簡単なアプリであれば、ほとんど部品の配置のみで開発することができるのです。少し高度なアプリであれば多少のコードを記述する必要がありますが、Pythonなどのプログラミング言語で開発するのとは比べられないほど早く開発ができます。
Microsoft製品や外部サービスとの連携
Power AppsはMicrosoft製品であるSharePoint、Excel、OneDriveやGoogleドライブ、Dropboxといった外部サービスと連携できます。
これらをデータソースとして連携し、データの取得や削除、更新といった操作が可能です。
モバイルアプリ用の機能が簡単に追加できる
スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスの機能を利用したアプリケーションを作成できます。
例えばカメラやバーコードリーダー、GPSといったモバイル特有の機能を使ったモバイルアプリ開発も簡単にできます。
AI機能を利用
顔認識やテキスト認識といったAI機能をPower Appsで開発しているアプリケーションに組み込むことが簡単にできます。
プログラミング言語で一から作成する場合は様々な知識が必要となるAI機能がPower Appsでは簡単な作業で組み込めるのです。
日本語が対応している
多くのローコード、ノーコードの開発プラットフォームは日本語以外の言語が多く、日本語に対応していないことがほとんどです。
Power Appsはすべてが日本語対応しており、またインターネット上に日本語の情報も多いため、英語ができない人でも安心して利用することができます。
共同作業・共同開発が可能
同じ組織の人間であれば、複数のユーザーで一つのアプリケーションを同時に開発・編集することができます。
変更履歴も保存されるため、開発状況の管理も問題なくできます。
Teamsアプリに作成したアプリを追加できる
Power Appsで作成したアプリはTeamsアプリに追加することができます。
Teamsは日々の業務で頻繁に利用するアプリケーションです。このTeamsにPower Appsで作成したアプリを追加すれば、アプリへのアクセスが簡単になります。
豊富なテンプレート
Power Appsには様々なテンプレートが用意されています。テンプレートには必要な機能が最初から備わっていることが多く、少ない手間で希望のアプリが作成できます。
テンプレートにはアンケートアプリやヘルプデスク、問い合わせアプリ、休暇申請アプリといったものが用意されています。
Power Automateによる自動化
Power AppsはPower Automateと共に利用することで、高度な操作を自動化できます。
例えば休暇申請アプリで休暇の申請が提出された場合、上司にメールを送信し、特定のExcelファイルを更新するといった操作を自動化できます。
Power Apps:必要なライセンス(価格)について
Power Appsを利用するためには以下のライセンスを契約している必要があります。
- スタンドアロンライセンス
- Microsoft 365、Office365またはDynamics365
Power Appsのすべての機能を利用するにはスタンドアロンライセンスが必要となります。Microsoft/Office365またはDynamics365ではPower Appsの一部の機能が利用できます。一部の機能とは言っていますが、通常のビジネスアプリを作成する分には申し分ない機能が使えますのでご安心ください。
私の会社ではMicrosoft 365 E3を契約しています。そのためPower Appsのフル機能は利用できませんが、基本的に困ることなくビジネスアプリの開発ができています
スタンドアロンライセンス
スタンドアロンライセンスはPower Apps単体で契約する有償ライセンスのことです。スタンドアロンライセンスの料金形態には「サブスクリプションプラン」と「従量課金プラン」の2つに分かれています。
「サブスクリプションプラン」はその名の通り、月額固定のプランです。このサブスクリプションプランには1ユーザーが1アプリを利用できる「Power Apps per appプラン(アプリごとのプラン)」と、1ユーザーが複数アプリを利用できる「Power Apps per userプラン(ユーザーごとのプラン)」があります。
「従量課金プラン」はユーザーが利用した分だけ料金が増えていくプランです。
スタンドアロンライセンスの価格ですが、2023年5月10日現在では「Power Apps per appプラン」で1アプリ630円、「Power Apps per userプラン」で1ユーザー2,500円、従量課金プランではアクティブユーザーが使用するアプリごとに1,250円となっております。
「サブスクリプションプラン」、「従量課金プラン」どちらでもPower Appsのすべての機能が利用できます。
各プランの現在の料金やライセンスの購入については以下リンクをご覧ください。
Microsoft365、Office365またはDynamics365
Microsoft365やOffice365、Dynamic365の一部のライセンスではPower Appsの一部の機能が利用できます。
残業申請アプリや座席予約アプリ、有給申請アプリといったビジネスアプリを作成する上では、これらのライセンスで使えるPower Appsの機能で問題ありません。
スタンドアロンライセンスと比べて利用できない機能としては、Premium/Customコネクターや、Microsoft Dataverse、AI Builderの利用、Power Pagesなどがあります。
Power Appsが利用できる主なライセンスは以下の通りです。
M365 Business Basic | M365 Business Standard | M365 Business Premium |
Microsoft 365 F3 | Microsoft 365 E3 | Microsoft 365 E5 |
Office 365 A1 | Office 365 A3 | Office 365 A5 |
Office 365 E1 | Office 365 E3 | Office 365 E5 |
Office 365 F3 |
Power Appsが利用できるライセンスであれば、Power Appsのサイトからアプリの作成にチャレンジできます。もし上記記載のライセンスなのにPower Appsが使用できない場合は、管理者によってPower Appsの使用を制限されている可能性があります。その際は管理者に相談してみてください。
まとめ
本記事「Power Appsとは:必要なライセンス(価格)や特徴について」はいかがでしたか。
Power Appsを使うことで、今までアプリの作成をしたことがない人でも簡単にビジネスアプリを作成できます。
ぜひこの機会にビジネスアプリを開発して、業務の効率化を行ってみてください。