日本人の語学学校や英会話レッスンでのマンツーマンに対する勘違い

時計 2020.04.09 / 時計

語学学校や英会話でのマンツーマンに対する勘違い

日本の英会話スクールで採用している授業形式は主にマンツーマンレッスンです。昨今人気が出ているフィリピン留学でプッシュしているのもマンツーマンレッスンです。そのため日本人の中でマンツーマンレッスン=英語力が最も伸びる授業形式という誤解が生まれています。

実際にマンツーマンレッスンの強みとするところや、歴史的な背景なども踏まえてマンツーマンレッスンについてご説明します。

マンツーマンレッスンってなに?

授業内容

授業は一対一で行われます。授業の進み方は教材を使って進んで行く授業と、生徒が望む内容で進む授業があります。

前者であれば、生徒は自分でどういうことを学びたいか考えずに、教科書の通りに進めばいいので、楽といえば楽です。

後者は自分でどういうことを学びたいかをその時その時に、担当する先生に伝える必要があります。ですが自分が望む箇所を学ぶことができるので、教科書に沿って進むよりも効率はいいです。

マンツーマンレッスン人気の背景

マンツーマンレッスンの人気の火付け役はなんといってもフィリピン留学ではないでしょうか。低コストでセブ島などのリゾート地が悠々自適に勉強ができるフィリピン留学。

ここの語学学校で採用している授業形式がマンツーマンレッスンなのです。

ここで見方を少し変えて、フィリピン留学がなぜできたのかを説明していきます。フィリピン留学を作ったのは日本人ではないか? と思う方も非常に多いと思いますが、実はフィリピン留学を作ったのは韓国人です。

ではなぜフィリピン留学を作ったのか? まず韓国の就職活動について知る必要があります。韓国ではサムスンや大手企業に受けるためにはTOEICのスコアが非常に重要になります。サムスンではTOEICスコア900点以上でないとそもそも応募することができないのです。

そこで韓国は集中してTOEICの勉強ができる場所を作ります。それがフィリピンだったのです。フィリピンで格安で合宿のようにひたすらにTOEICの問題を解き、単語を覚える留学ができました。

つまりフィリピン留学というのはそもそも韓国人がTOEICのスコアを伸ばすためにできた留学先なのです。

だからフィリピンには韓国人経営の語学学校が多いんです。

これらが意味するところは、フィリピン留学もといマンツーマンレッスンはTOEICのスコアアップなどのいわゆる資格英語に強みを持っているということです。

POINT

フィリピン留学は韓国人が作った留学

TOEICのスコアアップがフィリピン留学の目的

マンツーマンレッスンはTOEICなどの資格英語に強みがある。

マンツーマンを望む日本人

留学カウンセリングをしていると、マンツーマンを強く希望する生徒様が非常に多いです。話を聞くと英会話スキルを伸ばしたいので、グループレッスンよりもマンツーマンレッスンを受けたい、とおっしゃるのです。そう、ほとんどの留学を希望する方はマンツーマンの方が英会話スキルを伸ばすのに向いていると勘違いをしているのです。

なにもマンツーマンが悪いと言っているわけではないです。マンツーマンの良いところは後ほど説明しますが、自分の伸ばしたい分野であったり、弱点が補強できるという点にあります。そこを忘れてはならないのです。

日本の英会話スクールではマンツーマンレッスンが基本となってます。これはマンツーマンの方が英会話を伸ばせるというわけではなく、恥ずかしがり屋さんの日本人に合っている授業スタイルであり、かつ多く抱えた外国人講師を使い利益を上げるためです。

日本の英会話スクール及びフィリピンのマンツーマンが日本では浸透しすぎてしまい、こういった勘違いを起こしてしまうのです。

非ネイティブの外国人はマンツーマンよりもグループレッスンを好む傾向があります。これは英語での会話力を伸ばすにはグループレッスンが最適だからです。マンツーマンレッスンとグループレッスンの違いはこちらの記事が参考になるはずです。

皆さんが日本語を今のように流暢に話せるようになったのは、保育園や幼稚園・小学校でいろんな人達と会話をして来たからですよね。もし母親一人としか会話をしていなかったら、今のような流暢な日本語にはなっていなかったはずです。

POINT

マンツーマンレッスンだからといってグループレッスンより優れているわけではない

マンツーマンレッスンのメリット・デメリットを把握して、自分の目的に合っているか確認すること

マンツーマンレッスンのメリット・デメリットはなに?

メリット

マンツーマンの一番のメリットはその授業形式である、一対一の対面方式の授業です。このため、あなたにわからないところがあれば授業を止めて、ゆっくりわかるまで教えてくれます。自分が興味ないことはやらなくていいですし、自分の学びたいシチュエーションや文法だけ教えてもらうことができます。

弱点補強のためにマンツーマンレッスンを使うのがお勧めです。文法であったり、不得意なシチュエーションでの会話など、自分の弱点が明確にわかっている場合、マンツーマンレッスンは有効的であるといえます。

また一対一で授業を行うため、人見知りする人や、他人に自分の拙い英語を聞いてほしくない方はマンツーマンレッスンが向いてます。

またあなたが英語初心者であれば、グループレッスンの早いスピードに追いつけない可能性もあるので、その場合はマンツーマンレッスンから始めるのもいいと思います。

POINT

マンツーマンレッスンは弱点補強で使うのが有効的

人見知りをする人や、英語初心者の方に向いている

デメリット

デメリットとしては、実戦での生きた英会話スキルやコミュニケーション能力が伸びにくいという点があります。

恥ずかしがり屋な自分を克服することはできません。英語を勉強しているということは国際的な立場で仕事をしたいということだと思います。外国人を相手に仕事をするのに恥ずかしがり屋のままであったら、仕事なんてうまくいきませんよ。相手はこっちの恥ずかしがり屋なんて気にしないで、ズバズバ口撃をしてきます。

マンツーマンを受けた生徒様がよく言うこととして、先生との雑談のネタがなくなる、いつも同じ話になる、といったことが挙げられます。

毎回同じ先生なので話すことがなくなってしまうのは、よくありそうですね。

次に言われるのが、実際に街中で別の外国人と話そうとすると、会話が全くできない。授業で話す相手はプロの教師です。あなたが間違った英語を話しても察してくれます。またあなたが日本語から英語に訳している間もじーっと待ってくれてます。

ですが実際の会話はそうはうまくいかないです。相手は、特に外国人は日本人みたいに察してくれることは少ないですし、待ってもくれないです。あなたが英語に訳している間、無言になっていたら相手はあなたが怒っているんじゃないかと心配します。

本当に役に立つ英語でのコミュニケーション能力はマンツーマン授業で身につけるのは難しいように感じます。

前にも述べましたが、一人の人としか会話してなかったら、皆さんこんなに日本語がうまくなっていないですよね? たくさんの人達と会話したからこそ、今の日本語の語学力があるのだと思います。これは英語も同じで、たくさんの人達と会話をしないとスピーキング力やコミュニケーション力は伸びないです。

英語初心者でまずは簡単に話すことから始めたい! という方には向いている授業形式だとは思います。

POINT

マンツーマンレッスンでは日常で使う英会話スキルが伸びにくい

同じ先生とばかりなので、会話が単調になる

プロとの会話に慣れてしまう

まとめ

マンツーマンレッスンは一言で言い表すと弱点補強です。あなたが自分の弱点を明確にわかっている場合にとても有効的です。そのため文法の強化であったり、資格取得、TOEICのスコアアップを目的としている方はオススメの授業形式です。

クラスだと恥ずかしいから一対一が良いという方は最初に受けるのはいいかもしれませんが、話すことに慣れてきたらグループレッスンに切り替えることをお勧めします。

人気の格安留学ですと、マンツーマンレッスンであればフィリピン留学、グループレッスンだとフィジー留学に候補が絞られます。各国の違いはこちらの記事が参考になります。

マンツーマンレッスンについてはわかりましたでしょうか? ただマンツーマンの方が伸びやすいだろうと安直に考えるのではなく、マンツーマンの本質を理解して、それでも自分に合ってると思ったら受けるようにしたほうがいいですよ。