【Django】forms.py:モデルを利用したフォームの作成方法(forms.ModelForm)

時計 2021.06.27 / 時計

【Django】forms.py:モデルを利用したフォームの作成方法(forms.ModelForm)

本記事ではDjangoにおけるforms.pyで、モデルを利用したフォームの作成方法について解説していきます。

Webアプリケーションでは、会員登録画面やログイン画面などユーザーが情報を入力できるフォームが必要です。

DjangoにはフルスタックWebフレームワークなので、簡単にフォームを作成するための仕組みが初めから備わっています。

いくつかある方法のうち、モデルを利用したフォームの作成方法について解説しています。

本記事を通して以下の知識を学べます。

学べる知識
  • Webアプリケーションにおけるフォームについて
  • Djangoでフォームを作成する方法
  • モデルを利用したフォームの作成方法
  • views.pyからテンプレートへフォームクラスを渡す方法

フォームとは

フォームとはユーザーからの入力を受け付けるために必要な仕組みです。
ほとんどのWebアプリケーションで使われています。

Webアプリケーションのフォーム画面

フォームについては以下記事でも解説しています。

【Django】フォームの作成:フォームとは

フォームは最終的に次のようなHTMLで記述されます。

<form class="" action="" method="post" enctype="multipart/form-data">
<p><label>名前:</label><input type="text" name="name"></p>
<p><label>年齢:</label><input type="text" name="age"></p>
    <button type="submit" name="submit">Submit</button>
</form>

上記からわかるように、HTMLのformタグやlabelタグ、inputタグを使ってフォームは作成されます。

DjangoによるWebアプリケーションでは、このフォームから送信された情報は、views.pyで受け取りデータベースへの登録などを行います。

Django:フォームを作成する方法

Djangoを使ったWebアプリケーションでフォームを作成する場合、以下に示すようにDjangoに備わっている仕組みを使う方法と、HTMLを直接テンプレートに記述する方法があります。

  • forms.pyにforms.Formを継承したフォームクラスを使用
  • forms.pyにモデル(forms.ModelForm)を利用したフォームクラスを使用
  • テンプレート(HTMLファイル)に直接inputタグを記述して作成

forms.Formとforms.ModelFormは、Djangoに初めから備わっているフォーム機能です。
どちらの方法もdjango.formsを利用します。

本記事ではモデルを利用したforms.ModelFormの利用方法を解説しています。

forms.Formによるフォーム作成については以下記事をご参照ください。

本記事で作成するフォーム画面

本記事で作成するフォーム画面を以下に記します。

Djangoで作成するフォーム画面

次にDjangoの仕組みを利用した、フォーム画面を作成する流れを見ていきましょう。

Django:フォームを作成する流れ

モデルを利用したフォーム画面を作成する流れを下記に記します。

  1. models.py:モデルを定義する
  2. forms.pyを作成する
  3. forms.py:モデルを利用したフォームクラスを定義する
  4. views.py:テンプレートにフォームクラスを渡す
  5. テンプレート:フォームを表示させる

上記の流れでフォームを作成していきます。

1.models.py:モデルを定義する

モデルを利用したフォーム画面を作成しますので、まずモデルを定義する必要があります。

モデルの定義方法については以下記事をご参照ください。

Djangoではmodels.pyに定義したモデルを元にフォームを作成することができます。

ここでは例として会員登録用のMemberモデルを定義します。

from django.db import models

class Member(models.Model):
    first_name = models.CharField(max_length=100)
    last_name = models.CharField(max_length=100)
    address = models.CharField(max_length=255)
    age = models.PositiveIntegerField()
    mail = models.EmailField()

新たにモデルを定義した場合は、マイグレーションを実行して、データベースに反映しておく必要があります。

python manage.py makemigrations
python manage.py migrate

2.forms.pyを作成する

アプリケーションフォルダ内にforms.pyを作成します。

階層構造は次のようになります。

Django:ファイル階層構造

作成したforms.pyにフォームクラスを定義して、そのフォームクラスを使ってテンプレートにフォームを表示させます。

フォームクラスとは、テンプレートに簡単にフォームを表示するために作成するクラスのことです。

3.forms.py:モデルを利用したフォームクラスを定義する

作成したforms.pyにフォームクラスを定義していきます。

models.pyに定義したモデルをforms.pyで利用するために、まずは定義したモデルをインポートします。

from .models import モデル名

モデルを利用したフォームクラスは、django.forms.ModelFormのサブクラスとして定義するため、forms.pyの先頭でdjango.formsもインポートしておきます。

from django import forms

モデルを利用したフォームクラスの定義には、django.forms.ModelFormを継承するため次のように記載します。

class クラス名(forms.ModelForm):

クラス内にはMetaクラスを作成し、その中にフォームと連動するモデルの指定や、使用するモデルフィールドの指定、表示ラベルの指定などを行います。

class Meta:
    model = モデル名
        fields = ('フィールド名1', 'フィールド名2',… )
        labels = {'フィールド名1':'フォーム上での表示名 ', 'フィールド名2':'フォーム上での表示名 ', …}

fieldsで指定したフィールドが、フォーム上で入力可能な項目として表示されます。
そのためフォームに表示する必要がないcreated_atやidはここに指定する必要はありません。

すべてのフィールドを指定したい場合は、__all__を指定します。

fields = '__all__'

forms.pyにフォームクラスを定義する方法をまとめると次のようになります。

from .models import モデル名
from django import forms

class クラス名(forms.ModelForm):
class Meta:
        model = モデル名
        fields = ('フィールド名1', 'フィールド名2',… )
        labels = {'フィールド名1':'フォーム上での表示名 ', 'フィールド名2':'フォーム上での表示名 ', …}

Memberモデルを利用したフォームクラスの定義は次のようになります。

from django import forms
from .models import Member

class MemberForm(forms.ModelForm):
    class Meta:
        model = Member
        fields = ('first_name', 'last_name','address', 'age', 'mail', )
        labels = {'first_name':'名前', 'last_name':'苗字', 'address':'住所', 'age':'年齢', 'mail':'メールアドレス'}

4.views.py:テンプレートにフォームクラスを渡す

views.pyの関数では、ここまで作成したフォームクラスをテンプレートに渡す操作を記述する必要があります。

from django.shortcuts import render
from .forms import MemberForm

def index(request):
    form = MemberForm()
    context = {'form': form,}
    return render(request, 'five/index.html', context)

views.pyの先頭では、forms.pyで定義したフォームクラスをインポートしています。

from .forms import MemberForm

次にindex関数内でフォームクラスをインスタンス化し、変数に格納します。

form = MemberForm()

その変数はrender()メソッドを利用して、テンプレートに渡します。

context = {'form': form,}
return render(request, 'five/index.html', context)

5.テンプレート(HTMLファイル):フォームを表示させる

views.pyから渡されたフォームクラスを利用してフォームを表示するには、次のようにテンプレートに記述します。

<h2>会員登録フォーム</h2>
<form class="" action="" method="post" enctype="multipart/form-data">
    {% csrf_token %}
    {{ form.as_p }}
    <button type="submit" name="submit">Submit</button>
</form>

{% csrf_token %}はCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)を検証する仕組みであり、必ずフォームに記載する必要があります。

フォームで使用する部品(inputタグ)は、{{ form.as_p }}によって自動的に記述されます。
as_pとは、inputタグをpで囲むことを意味しています。

<p><label>名前:</label><input type="text"></p>

フォームのinputタグのtype属性は、モデルのフィールドによって異なります。
つまりモデルのフィールドとinputタグは連動しているということです。

例えばCharFieldであれば<input type=”text”>になり、EmailFieldであれば<input type=”mail”>になります。

まとめ

本記事「【Django】forms.py:モデルを利用したフォームの作成方法(forms.ModelForm)」はいかがでしたか。

DjangoにはWebアプリケーションを簡単に作成できる機能がたくさん用意されています。
本記事で紹介したフォーム機能もそのうちの一つです。

ですが便利な機能が用意されていたとしても、それを使えないと意味がないです。

ぜひ本サイトOFFICE54を通して、Djangoの便利な機能を学び、使えるようになってください。