【データベース】ビューとは:メリットとデメリット
2024.03.12 /
本記事ではデータベースにおけるビューについて詳しく解説していきます。
データベースとは大量の「データ」を蓄積し、いつでも・好きなときに・簡単にデータを利用可能なシステムです。アプリケーションを開発する上で必要不可欠なものです。
データベースにはビューという1つ以上のテーブルから抽出したデータから構成される仮想的なテーブルを作成・利用できます。
ビューを利用することで開発が効率的に進み、記述するクエリのコードも簡素化できます。
ぜひ本記事を通して、データベースのビューの特徴やメリット・デメリットなど理解を深めてください。
データベースのビューとは
データベースのビュー(view)とは1つ以上のテーブルから取得されたデータを組み合わせた結果を保存する仮想テーブルです。
ビューにはデータが実際に格納されているわけではありません。SELECT文を保存して、テーブルの結合や複雑な操作を要するSELECT文をビュー化します。
ビューは定義されたSQLクエリ(SELECT文)を通じてデータを各テーブルから動的に取得する。
例えば次図のように「社員テーブル」「部署テーブル」「役職テーブル」があるとします。
ここからIT部の社員を管理するためにテーブルを結合してフィルタリングされた表を利用したい場合は、次図のように結合されたビューを作成しておきます。
このように必要なテーブルをビューで作成しておくことで、複雑なクエリを書くことなく簡単に求めるデータにアクセスできます。
ビューは参照用のテーブルなので基になるテーブルのデータを直接変更することはできません。
つまりビューは整形されたデータを参照するためのウィンドウのようなものです。
ビューはデータベース設計において重要なツールであり、ビューを適切に利用することでアプリケーション開発を効率的に進められます。リレーショナルデータベースを用いた開発では非常に有用なツールの一つです。
リレーショナルデータベースとはExcelのような表形式でデータを管理するデータベースです。データは行と列で構成されています。そのため直感的にデータを取り扱うことができます。データベースについて詳しくは以下記事をご参照ください。
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- データが物理的に格納されているわけではない
- SELECT文が保存されている
- 定義されたSQLクエリからデータを動的に取得する
- 基になるテーブルのデータを変更することはできない(一部のシステムではビューからの変更をサポートしています)
ビューを利用するメリット
ビューを利用するメリットは次のようなものがあります。
- 複雑なクエリの簡素化
- 一貫性の確保
- セキュリティ:テーブルの隠蔽
複雑なクエリの簡素化
複数のテーブルを結合してフィルタリングするような複雑なクエリをビューに格納しておくことでコードをシンプルに保つことができます。
ビューを利用することで複雑なクエリを書く必要がなくなり、求めるデータに簡単にアクセスできるようになります。
一貫性の確保
データベースの構造が変わった場合でも、ビューを更新することでアプリケーションへの影響を抑えることができます。
セキュリティ:テーブルの隠蔽
ビューを利用することでユーザーがアクセスできるデータを制御できます。
特定の列や行のみを公開し、テーブルを隠蔽してユーザーに必要なデータだけを必要な形で見せることができます。
ビューのデメリット:使用上の注意点
ビューは非常に有用なツールですがパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。
ビューは実行時に基になるテーブルからデータを取得します。そのため大量のデータや複雑なビューであった場合はアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えます。
またビューを濫用するとかえって設計と実装を複雑なものにしてしまう可能性があります。
ビューを利用する際はパフォーマンスの影響を考慮して使ってください。
ビューの基本操作
ビューの作成
ビューを作成するには「CREATE VIEW」文を使用します。
CREATE VIEW ビュー名 AS 定義;
定義にはSELECT文でビューが表現するデータを指定します。例えばEmployeesテーブルとDepartmentsテーブルを結合して、「従業員ID」「名前」「役職」「部署」を含むビューを作成するコードを以下の通りです。
CREATE VIEW EmployeeDepartment AS
SELECT e.EmployeeID, e.Name, e.Position, d.DepartmentName
FROM Employees e
JOIN Departments d ON e.DepartmentID = d.DepartmentID;
ビューの使用
作成されたビューは通常のテーブルと同じようにクエリを実行してデータを取得できます。
SELECT * FROM ビュー名;
ビューの削除
不要なビューは「DROP VIEW」文で削除することができます。
DROP VIEW ビュー名;
まとめ
本記事「【データベース】ビューとは:メリットとデメリット」はいかがでしたか。
データベースで利用できるビューはWebアプリケーションの開発に欠かせない技術です。ぜひビューを利用できるようになって、今後の開発に活かしてください。