ブックレビュー:人生を面白くする本物の教養(著:出口治明)
2020.04.28 /
ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEOの出口治明さんの著書人生を面白くする本物の教養という本が非常に良い。
この本から出口さんの物事の考え方やモノの見方が少しわかってきます。そういった観点の見方もあるんだな、と自分の考え方を改めることも多かったです。
今後の日本に必要な考え方が多く、たくさんの人の手に取ってほしい一冊の本だと思いました。教養とは非常にあいまいな言葉であると私は思いますが、一つの教養の定義がこの本から学ぶことができます。
この本で興味深かったことをいくつかご紹介していきますので、もしこの本に対して興味を持たれましたら、ぜひ購入していただき、今後の人生をより豊かなものにしていただければと思います。
教養とは何か?
みなさんは教養とは何だと思いますか?インターネットで調べると、「学問・知識を(一定の文化理想のもとに)しっかり身につけることによって養われる、心の豊かさ。」と出てきます。
教養という言葉を聞くと、まず頭に浮かんでくるのは学問や知識だと思います。著者の出口さんは、
「教養とは、人生におけるわくわくすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツールです」
とおっしゃっています。「人生を面白くするためのツール」って非常に面白い考え方だなと思いました。そう思うと知識を身に着けることって楽しくなってきませんか?
「自分の頭で考えられる」ことが教養
教養のもう一つの本質として、「自分の頭で考える」ことがあります。知識を身に着けているだけでは本物の教養とは言えない。
「自分の頭で考える」ということは非常に重要なファクターであり、特に仕事では最も必要になる能力です。
仕事では「自分の頭で考える」ことができる教養のある方が一緒だと非常に仕事がやりやすくなります。勉強の目的について著名な科学史家の山本義隆氏は、
「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。(勉強の目的は)たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」
と語っています。自分の言葉で自分を表現する力はもちろん仕事において重要な能力ですが、私生活でも必須の能力です。
より人生を豊かにするためにも、教養を身につけることは必須項目だということがわかります。
日本のリーダー層は教養レベルが低い
世界標準からすると、日本人の教養レベルは非常に低い。世界で働き、旅をした私個人の感想ですが、日本人には努力やアグレッシブさが非常に他国と比べて少ないと思います。
この本にも記載されておりますが、まずは自分たちの位置を知る必要があります。「己を知る」ことは非常に重要です。
そもそも学生時代の時から海外の人達に差がつけられています。私は多くの大学生と話をする機会がありますが、ほとんどの日本の学生は勉強や読書をしてないです。
ただ何となく、大学に通っている人が大半だと感じています。年に何百万という高額な授業料を払っているにもかかわらず、単位を取るためだけに授業に出て、それ以外は遊ぶ、学んだことはすぐ忘れるといった人が多いです。
日本の大学生が在学中に読む本の総量は約100冊。アメリカの学生は4倍の約400冊を読みます。その分だけ差があるのです。この意識の差は非常に大きいです。
少しでも早くそれに気づき、改善していくことが重要だと考えます。
大学よりもまず留学
これは本には書いていない、私個人の考えですが、日本人はまず大学に行くより働く、または留学することが必要だと考えています。
それはなぜか。上記にも記載しましたが、現在の大学生は目的を持たずに大学に行っている人が大半です。
あなたはみんなが大学に行っているから、自分も大学に行く、と周りに流されていませんでしたか?目的なく大学に行くことは、はっきりいって無駄です。
留学カウンセラーをしていると、理系の大学を卒業したけど、就職せず留学に行きたいという人は多くいます。それは何も考えず理系の大学に行ってしまったからです。
大学に行ったことすべてが無駄だったとは言いません。ではこれが留学に行ってから大学進学の順番だったらどうだったでしょうか。
留学をすることによって、様々な考え方や価値観を身に着け、また多くの社会人の人達とかかわることにより、自分の学びたいことが見つけられたら、その後の大学4年間は非常に有意義なものになったでしょう。
なにも高校卒業したら、大学に行くことだけが進路ではないです。いったん就職して自分に合った道を探し、見つけたらそれができるようになるために大学に通ってもいいです。
もしくは留学をして、様々な価値観に触れてみるのもいいでしょう。大学一つに絞らずに、様々な道から自分に合う道を選んでもらえればと思います。
まとめ
今回の「人生を面白くする本物の教養」はいかがでしたでしょうか?
この記事を読んで今後の人生の方向性を再度見つめなおす、いい機会になっていただければと思います。