TOEICリーディングセクションPart5:短文穴埋め問題の傾向と対策
2020.04.23 /
TOEICリーディングセクションPart5は短文中にある空欄に当てはまる語句を選択肢4つの中から選ぶ問題です。受験者の文法力・語彙力を試す内容となっています。
対策をすることにより比較的攻略しやすいパートですが、TOEIC特有の単語などを事前に覚えておかないと高得点は難しいです。
本記事では、パート5で高得点を取るための、テストの傾向と対策をご紹介いたします。
Part5の全体像をつかもう
出題パターン
リーディングセクションのPart5は毎回同じような問題が出題されるという特徴があります。そのため出題される範囲に絞って勉強することによって、比較的楽に点数を伸ばすことができます。
まず最も出題数が多いのは語彙問題、次に品詞問題です。この二つで全体の約4割を占めます。Part5ですぐに点数を伸ばしたい場合は、この二つを重点的に勉強するといいでしょう。
解答時間
リーディングセクションは75分しか時間がありません。Part5の全30問を解くための時間は、そのうち10分程と考えるといいです。
そうすると1問当たり20秒です。問題によって難易度が異なるので1問10秒~30秒が目安になります。
1問当たりの時間が短いため、高速にかつ正確に問題を解くスキルが必要になってきます。
問題形式を確認しよう
パート5の問題形式は以下の通りです。
Mark has received top performance reviews ------- he joined the sales department two years ago.
- (A) despite
- (B) except
- (C) during
- (D) since
パート5で重要なことは問題をたくさん解くことです。問題はパターン化されているので、問題を解いた分だけ得点が上がると思っていいです。
またTOEICは時間との勝負となりますので、一問一問に時間をかけてはダメです。1問10秒〜30秒で回答しましょう。分からない問題は諦めて、次の問題に集中するのが高得点の鍵です。
問題をたくさん解いて出題パターンに精通すること
一問に時間をかけない
分からない問題は潔く諦める
このパートは大きく分けて語彙問題と文法問題です。どちらも出題がパターン化されておりますので、対策することができます。次の章からは各問題についてみていきましょう。
語彙問題
語彙問題は単語を知らないと解くことができないです。対策方法としては単語を多数覚える、過去問題を解く、または対策本の練習問題をひたすらに解くのが高得点の一番の近道です。
語彙問題は下記の3つのパターンに別れます。
すべての選択肢の意味や形が異なる
選択肢の単語の形は異なるが意味が似ている
似ている単語だが意味が異なる
それでは各パターンについて詳しく見てみましょう。
すべての選択肢の意味や形が異なる
All of the new employees must undergo an ------- training program before qualifying as sales representatives.
- (A) intensive
- (B) overrun
- (C) obvious
- (D) antique
選択肢を見て、品詞は同じで単語の形や意味が異なっていればこのパターンです。
この問題は語彙力を試しているので、単語の意味を知らなければ解けません。選択肢を見て、単語の意味が分からなければ、潔く諦めて次の問題に進むようにしましょう。
例題の正解は(A)intensiveです。intensive programのように<形容詞+名詞>の組み合わせで覚えておくと、語彙問題の攻略につながります。
選択肢の単語の形は異なるが意味が似ている
The Japanese Institue is creating fthree new committees to provide expert ------- on food safety.
- (A) advice
- (B) opinion
- (C) request
- (D) proposal
英単語は同じ意味でも単語によってつかえる場面が異なります。そのため日々の勉強では、同じ意味の単語でもそれぞれの使い分けやニュアンスなども、調べておく必要があります。
TOEICではこのパターンでの出題の際は、熟語を絡めてくることがあります。その場合は熟語を覚えていれば、空所の前後を見ることによって解くことができます。
そのため空所前後で答えが分かる場合と、文全体を読まなければ解けない場合があります。
似ている単語だが意味が異なる
Due to the fact that the customer service department is understaffed, Emily has decided to hire an -------.
- (A) operator
- (B) operation
- (C) operative
- (D) operate
このパターンの問題も、単語の意味が分からなければ解くことができない問題です。
選択肢の中でいくつか分かる単語があれば、正解する確率はぐーんとUPするので、単語力の増加がこの語彙問題で最も有効な手段と言えます。
例題の正解は(A) operatorです。(B) operationは操作という意味なので、この問題文には不適切です。
文法問題
語彙問題はわかりましたので、次はもう一つの文法問題です。
文法問題はパターンが多く全部で9つあります。どれも毎回出題されますので、すべてに精通している必要があります。
特に多く出題される品詞を問う問題は重点的に対策をしておきましょう。
動詞の型
Although a team of editors have proofread the document thoroughly, it ------- inaccurate information.
- (A) containing
- (B) having contained
- (C) contain
- (D) contains
選択肢に、動詞の各型(現在分詞、過去分詞、不定詞)があれば、このパターンの問題です。
例題の答えは(D) containsです。主語がitなので、三単現のsをつけた(D)が正解となります。単語の意味が分からなくても、文の構造から正解を導き出すことができます。しっかり文法の知識を活用しましょう。
品詞
Despite sever competition in the market, Tech Company remains -------.
- (A) stable
- (B) stably
- (C) stability
- (D) stableness
選択肢に、同じ単語の違う品詞が並んでいれば、このパターンの問題です。
特徴としては空所の前後を見ることで問題を解くことができることです。高得点を狙う場合、このパターンではできるだけ時間をかけないで解けるようになる必要があります。
例題の答えは(A) stableです。remainやstayの後ろには状態を表す形容詞が通常続きます。
前置詞
Because it is not possible to extend the deadline, the development team has to complete their work ------- next Thursday at the latest.
- (A) with
- (B) about
- (C) by
- (D) until
選選択肢に、前置詞(at、in、on、toなど)があればこのパターンの問題です。
前置詞を問う問題は大きく3つに分けることができます。
基礎的な使い方(「時間」や「場所」)
常套句(between A and B)
前置詞句(due to、in terms ofなど)
上記のどのパターンでも解けるように、3つとも押さえておきましょう。
例題の答えは(C) byです。byはある動作や状態がその時点までに完了していることを表します。completeと共に使われることが多いです。
接続詞
------- you have completed the questionnaire, please return it to the personnel department.
- (A) Once
- (B) Until
- (C) In case of
- (D) Due to
設問文が二つの文に分けられており、その二つをつなぐ役割を果たす単語がなかった場合、このパターンの問題です。
選択肢には前置詞と接続詞が並んでいる場合が多いです。問題文より空所には前置詞と接続詞どちらが入るのか一目でわかるので、まずはどちらが空所に入るか考え、そして選択肢から前置詞と接続詞を見極めます。どれが前置詞でどれが接続詞かわからないと解けないので、しっかり覚えるようにしましょう。
例題の答えは(A) Onceです。onceは接続詞で「いったん~したら」。前文と後文を繋げる役割を果たしています。
代名詞
All of the team leaders are required to submit ------- completed evaluation sheets to the personnel department.
- (A) them
- (B) their
- (C) they
- (D) themselves
選択肢に、代名詞(his、they、herなど)が並んでいたらこのパターンです。
代名詞とは名詞の代わりに使われる単語です。同じ名詞を繰り返し使わずに表現できるので、英語の会話・文章をより円滑にする役割を持っています。
例題の答えは(B) theirです。theirをつけて、「彼らの記入された評価シート」となり、submitの目的語になります。
熟語(イディオム)
The customer survey indicates that an online tutorial is necessary to help customers ------- an order.
- (A) award
- (B) encourage
- (C) claim
- (D) place
選択肢に、熟語(イディオム)が並んでいたらこのパターンです。
TOEICで出題される熟語は決まっているので、熟語帳などを作って覚えていくしかないです。ある意味語彙問題ですね。
例題の答えは(D) placeです。place an orderで「注文する」という意味となります。似た組み合わせでは、cancel an order 「注文をキャンセルする」、receive an order 「注文品を受け取る」、fill an order 「注文に応じる」などがありますので、覚えておきましょう。
比較の用法
This is the ------- weather we've had in April since we moved here.
- (A) more hot
- (B) hot
- (C) hotter
- (D) hottest
選択肢に、形容詞・副詞の比較級または最上級があればこのパターンです。
設問文にas〜asやthan、superior toなどの比較表現や、最上級で使うtheがあるか等を確認します。
例題の答えは(D) hottestです。the + 最上級 + 名詞 + (that) + S + have + (ever) + Vppで、「SがこれまでにVした中で最も~な~」という構文です。
仮定法
If the company had not merged with Tech company when it did, it ------- such dramatic growth in such a short period of time.
- (A)did not see
- (B) is not seeing
- (C) would not have seen
- (D) will not see
設問の中でifやhadで始まっている問題はこのパターンです。
仮定法過去完了や多く問題で使われることがありますが、そのほかの仮定法現在なども押さえておきましょう。特にrequireやpropose、demandといった「要求・提案」を表す動詞はthat節内の動詞を原形にするという、あまり見ない用法を取るので注意が必要です。
例題の答えは(C) would not have seenです。if節内の時制が過去完了had not mergedなので、その後に続く文はS + would[could/should] + have + 過去分詞となる仮定法過去完了の形です。。
関係代名詞
Those ------- wish to apply for the sales position must send their resume to the personnel director no later than January 31.
- (A) who
- (B) which
- (C) what
- (D) where
選択肢に、関係代名詞(who、which、whoseなど)が並んでいればこのパターンです。
この問題でチェックするポイントは先行詞です。それにより使える関係代名詞が決まります。その後主格なのか、所有格か、目的格かを判断します。
例題の答えは(A) whoです。those whoで「~する人たち」という意味になります。TOEIC頻出の用語なので、必ず覚えておきましょう。
出題される接続詞・前置詞(句)
TOEICのパート5で選択肢に出てくる接続詞や前置詞句はだいたい決まっています。
接続副詞もよく選択肢に混ざってきますので、ついでに覚えておくといいです。接続詞・前置詞問題はこちらの記事が参考になります。
TOEIC文法問題:『前置詞or接続詞』
パート5のテクニック
下記のテクニックを抑えて高得点を狙いましょう。このパートはなんといっても単語力と頻出表現のマスターが鍵となります。
選択肢をチェックして、パターンを押さえる
解答や単語の意味が分からない場合は潔く諦める
空所の前後で答えが導き出せる問題は速攻で解き、時間を節約
まとめ
TOEICリーディングのパート5をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?語彙問題と文法問題のパターンを把握して、高得点を狙えるように多くの問題を解いてください。リンクが張られている記事も参考になるので、そちらも使って勉強してください。