【VPN】VPNを利用するメリット・デメリット(会社提供のVPN)

2022.02.26 /

【VPN】VPNを利用するメリット・デメリット(会社提供のVPN)

本記事ではVPN(Virtual Private Network)を利用するメリットデメリットについて解説していきます。

近年テレワークが急激に広がり、VPNを利用する人も同様に増加してきました。

VPNの利用者は急増していますが、その利用者の大半がVPNについて詳しく理解していないと感じます。

ぜひ本記事を通して、VPNを利用している方々が、そのメリットとデメリットについて学んでいただければと思います。

ここでは会社が提供しているVPNの利用に焦点を当てて、社内SEの観点から解説しています。

VPN(Virtual Private Network)

VPNとは

VPN(Virtual Private Network)とは「仮想的な専用回線」を構築する技術です。

VPNを利用することにより端末と社内ネットワーク間に、あたかも専用回線を引いたようにセキュアな通信を行えるようになります。

主にビジネスシーンでVPNを利用する人が多く、社内システムや共有フォルダの利用またはセキュアなネットワーク接続環境のためにVPNを会社側は提供していると考えられます。

しかし多くのユーザーがVPNについての知識が乏しく、単に社内システムを会社外で利用するための仕組みと思っています。

VPNの大きな役割はそれで間違っていないのですが、その他にもVPNを利用するメリットがあります。次項よりVPNのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

会社提供VPN:メリット

会社提供のVPNを利用するメリットは以下の通りです。

  • 遠隔地から社内システムを利用できる
  • 通信を暗号化してセキュアな通信が行える
  • 地域による制限を免れることができる

遠隔地から社内システムを利用できる

VPNの大きなメリットの一つが遠隔地から社内システムを利用できることです。

会社から提供されているVPNを利用する方は、ほとんどの場合で社内システムを使用するためにVPN接続をしていると思います。

このVPNのメリットを使って、現在では自宅から仕事を行うテレワークが普及しました。

この「遠隔地」というのは日本国内だけでなく、海外も含まれています。そのため国内外問わず会社にいるのと同様に仕事ができます。

国外からVPNを使用する場合は気を付けるべき点がいくつかあります。詳しくは以下記事をご参照ください。

通信を暗号化してセキュアな通信が行える

VPNにより仮想的に専用線を構築し、その中で通信を行います。これによるインターネット通信は「トンネリング」や「カプセル化」、「暗号化」、「認証」といった技術を使用し、通信を非常に安全なものにしています。

つまりセキュリティを強化し、通信の盗聴や情報を盗まれることを防いでくれるということです。

カフェなどの無料Wi-Fiでは情報を盗まれる可能性が非常に高いです。しかしVPNを使うことで第三者からの盗聴から守ってくれるのです。

地域による制限を免れることができる

一部のインターネットサービスではIPアドレスをもとに国外からのアクセスをブロックする仕組み(ジオブロック)があります。

しかしVPNを利用することで、VPNサーバーが置かれている国(会社提供のVPNの場合はVPNサーバーが置かれている場所)からアクセスしているように見せることができます。

つまり特定の国からでしかアクセスできないサービスに世界中からアクセスできるようになります。

例えば、日本版NetflixやHuluなどの動画配信サービスを海外からでも視聴できるようになります。

しかし会社提供のVPNを利用している場合は、プライベートのために利用することは控えることをお勧めします。

会社提供VPN:デメリット

VPNを利用するデメリットは以下の通りです。

  • 通信速度の低下
  • 高いコストがかかる
  • アクセスキーなどが漏洩すると情報をすべて盗まれる

通信速度の低下

VPNを利用することでインターネット通信の速度が低下することが考えられます。

このデメリットが発生する1つの要因として、VPNの通信速度が接続しているインターネット回線に依存することです。速度が遅い公衆回線などを利用していればVPNの通信速度も遅くなります。

また多くの人数が同じVPNサーバーを利用していれば、その分サーバーの負荷が多くなり通信速度が遅くなることも考えられます。

私の場合

会社のインターネットがルーターの不具合で酷く遅くなったことがありました。そのときVPN接続をしているユーザーの通信速度も低下し、業務に支障が出てしまいました

高いコストがかかる

大手のVPN業者が提供しているVPNサービスを利用すると、安心・安全にVPNを利用することができます。ですがその分高い費用が必要となります。

無料で利用できる(自分で構築が必要な)VPNサービスを利用すれば低いコストでVPN環境を構築することができますが、その分知識が必要となります。

私の会社ではSoftEther VPNを利用して、費用をかけずにVPNを構築しております。

選ぶVPNサービス・製品によっては高いコストが必要になるということを覚えておいてください。

無料で利用できるVPNサービスについて

ITの知識がある人が構築することで無料で利用できるVPNではなく、Webサービスとして無料で利用できるVPNは危険です。

無料VPNの多くがなにかしらの危険があると考えていいです。マルウェアに感染したり、通信を盗聴されて情報を盗まれることもあります。

基本的には会社で提供しているVPN、もしくは有料のVPNサービスを利用するようにしましょう。

アクセスキーなどが漏洩すると情報をすべて盗まれる

VPNは諸刃の剣とも言えると私は考えています。なぜなら万が一VPNに接続するためのユーザー名やパスワード、アクセスキーが攻撃者に漏洩してしまった場合、その攻撃者は社内システムに当然のようにアクセスでき、すべてのデータを盗まれる可能性があるからです。

そのためVPNに接続するための情報は絶対に外部に漏洩してはいけないのです。

VPN関連情報

海外でのVPN接続

仕事で海外に行ったとき、または旅行で海外に行った際にVPNを接続できるのか疑問を持っている人は多いと思います。

VPNはインターネットさえ繋がれば基本的には接続することができます。しかし国によってはVPN接続が違法となる国もあります。

海外でのVPN接続について詳しくは以下記事をご参照ください。

Wi-Fi中継器の設置によるVPNの切断

もし自宅のVPNがすぐに切断される現象が起きている場合はWi-Fi中継器が原因の可能性があります。

また今後自宅にWi-Fi中継器の設置を考えている方は気を付けてください。

Wi-Fi中継器によるVPNの切断について詳しくは以下記事をご参照ください。

共有フォルダが1つしか表示されない問題

VPNを利用している多くのユーザーは、社内の共有フォルダにアクセスするためにVPNを利用していると思います。

共有フォルダを利用しているユーザーがある操作をすることで、共有フォルダが1つしか表示されなくなってしまう問題が発生します。

この問題が発生しないよう、どういった操作をしてはいけないのか以下記事で事前に確認しておきましょう。

まとめ

本記事「【VPN】VPNを利用するメリット・デメリット(会社提供のVPN)」はいかがでしたか。

VPNについて知識を付けることで、VPNの利用方法が少し変わってくると思います。ぜひVPNをうまく利用して、業務に役立ててください。